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映画「后来的我们(Us and Them)」感想

中国語の勉強のモチベーションを探そうとNetflixで映画を探していたら、「后来的我们(Us and Them)」を見つけた。

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地方から北京に引っ越してきた若い男女が、電車の中で出会って色々あった後付き合い、また色々あって別れる。そして出会ってから10年後、北京行きの飛行機の中で再会して当時の思い出を語る、というストーリー。

 

ストーリーラインだけ見ればふつ〜〜〜のよくある話だし、私もぶっちゃけこれがNetflix上の数少ない中国映画の一つでなかったら観てなかったと思うんだけど、

なぜかこの映画にもうどハマりして、自分でもこの映画の何がこんなに刺さるのかわからないまま3週間くらい毎日観ていた。

 

ただ、この前友達にこの映画のストーリーを説明している時に

「あ、この映画の私にとっての軸はここだ」

と閃いたので、忘れないうちに書き残しておきたい。

 

※むちゃくちゃネタバレするので嫌な人はここから見ないでください。

 

自分は何をやりたいのかをどこまで捉えるか? 

この映画の主人公・方小晓と林見清は、2人とも地方から出てきて北京で成功しようともがいている。

小晓にとっての成功とは、北京で金持ちの男をつかまえて結婚すること。それを目指して色々な男と付き合うんだけど、結局うまく行かずに見清の家に転がり込み、見清と付き合い始める。

見清はゲームクリエイターになりたくて北京に出てきたが、なかなかうまくいかない。

 

見清は小晓のことがほんとうに好きで、小晓と見清の生活は貧しいけれども幸せそう。だが、見清は成功できない自分を認められない。
正月に小晓と一緒に実家に帰省した際に、見清はゲームクリエイターとして成功していると嘘をつき、地元の友達に高い夕食を奢るけれども、その嘘がバレていることを友人の陰口を聞いて知ってしまう。

 

見清は自分への怒りやら焦りやらで、自分の父親や小晓とだんだんうまく行かなくなる。小晓を無視するようになり、結局小晓は家を出てしまう。

が、小晓が出て行ったことでハッパをかけられたのか、見清はゲーム製作に取り組み、見事ヒット作を出し、お金を稼ぎ始める。見清は小晓のために家を買い、次の正月は一緒に実家に帰ってくれないかと頼む。

 

しかし、小晓と一緒に帰った先の実家で、小さい料理店を営む父親に見清は、ボロい料理店を畳んで彼と一緒に北京に住むように言うが、父親は見清が「ボロい」と形容したことに怒って拒否する。

見清は翌朝、小晓に彼に二度目のチャンスを与えるように頼む。今はお金も稼いでいるし、大きな家を買うこともできると。しかし小晓は、私があなたと一緒にいたのはあなたが好きだからで、あなたが家を買ってくれるからではない。あなたは私を理解していなかったし、これからもすることはないと言って去る。

 

で2人はほんとうに別れてしまい、見清は別の女性として結婚して子供もいるのだけれど、2人は出会ってから10年後、北京行きの飛行機の中で再会して、当時の思い出を語り合う、

 

というあらすじ。

 

 

私はこの、2人が別れた理由がすごく胸にきてしまった。

小晓は北京で良い男をつかまえて〜と適当なことを言っているように見えるしまあ実際行動はかなり適当なんだけど、

それでも「自分は何が欲しいのか?何がしたいのか?」ということを意識している。考えて考えて突きとめて、というよりは感覚的に掴んでいるように見えるけど、まあどちらにしても行動の軸は「自分が」何がほしいかだ。

 

一方見清はそれがわからない。もちろんゲームクリエイターになってお金を稼ぎたいくらいは考えているけれど、結局他人や社会からの評価にかなり左右されている。

北京で成功してお金を稼いで結婚して家庭を持ちたい、でもそれはなんで?なんで成功したい?なんでお金を稼ぎたい?なんで結婚したい?なんで家庭を持ちたい?それは本当にあなたが欲しいものなのか?それとも周りが欲しいものなのか?

これは思考力が弱いというわけではなく、社会の価値観を疑問視する機会がそれまであまりなかったからだと思う。

ただ、自分がいまいち周りの圧力や社会の価値観から抜け出せないからこそ、抜け出して自由であるように見える小晓にものすごく惹かれたのだろうけど、

結局この違いに小晓は絶望して別れたんだと思うんだよね。

 

見清にとってトリッキーだったのが、小晓の「自分は何がほしいのか?何がしたいのか?」というのは、その時々によって変わりうるということだ。

小晓はほしいものを捉える主体があくまでも自分なので、その時々に体験することや感情によって欲しいものは変わる。そしてその欲しいものを得ようとする。最初は北京でお金持ちと結婚して大きな家に住むことが彼女の欲しいものだけど、それは見清と付き合っていくうちに変わって、大きな家などなくても、見清と一緒に幸せに暮らすことが自分の幸せだ、となる。

けど、見清はそれがわからない。小晓は口では家なんかなくてもいいよと言っているけど、実は小晓も結局大きな家やお金が欲しいんじゃないかとずっと思っているから、溝が埋まらない。

これは、彼自身が結局大きな家やお金が欲しい人だからそちらの方が理解しやすいというのもあるだろうけど、一番は「彼の欲しいものは社会の価値観によってかなり固定されているので、小晓の欲しいものの流動性に追いつけない」ことが大きいんじゃないかなと思う。

小晓が欲しいものを主体的に捉える人間だとしても、その欲しいものがずっと「成功した男とお金」で変わらないとしたら、見清と考え方が違ってもその矛盾は表面化しなかったと思うのだ。まあその場合そもそも見清とは付き合ってない気がするけど。

 

2人が昔を思い出して語り合ってるところで、ここで君がこうすれば僕らは別れなかったんじゃない?って言い合うシーンがあるんだけど、何をしようと結局2人は別れてたと思うんだよな。

なぜならこの「自分が欲しいものは何かをどこまで捉えるか?」ってつまり、自分の人生をどれだけ主体的に選択するかということで、これは恋愛だけじゃなくて人生における決断一つ一つにつきまとうから。そこが一致しない限り、結局どこかで小晓は見清を振ってたと思う。

 

幸せなのはどちらか?

この映画でああめっちゃ現実的だなと思ったのが、結局北京で「成功」したのは見清だというところだ。
見清は妻も子供もいる。子供をかわいがってるシーンがある。妻は雪で電車が泊まって帰ってこない見清を責めてずっと私が子供の面倒を見ていると文句を言うんだけど、それも含めて「普通」とされる家庭を見清は手に入れたのだ、という描き方をされている。

一方小晓は最後のシーンで北京から地元に帰るシーンが映し出される。小晓は北京で「成功」することはできなかった。結婚もしていないし、帰りの飛行機で見清はビジネスクラスだけど、小晓はエコノミー。

考えてみれば当たり前で、北京での普通の幸せを手に入れるには、普通の価値観に沿って生きていくのが一番近道に決まっている。

小晓も見清を振らなければ、成功した夫と子供と大きな家が手に入ったわけで。ここで小晓が超優秀で強い女という設定だったら、自分で稼いで富を手にするか、北京すら飛び出して世界で活躍してますっていうラストもありうると思うけど、小晓はそういうキャラクターではない。自分の欲しいものはわかってるけど、それに最短距離で到達する道を考えて実行するタイプではなかった。

 

この映画では基本的に、見清が小晓を好きで諦められなくて、という描写が反対よりも多いんだけど、だからといって小晓が何でも手に入れたわけではない、というストーリーはすごく現実的で好きだ。

 

でも、だからと言って小晓は不幸せで、見清は幸せなのかな?

それか反対に、見清は不幸せで小晓は幸せなのだろうか。

 

これは本当に想像に過ぎないけど、たぶんどっちもそこそこに幸せでそこそこに不幸せなんだと思う。

 見清は小晓をずっと忘れられないみたいだけど、妻とは(不満はあるにせよ)一緒に生きていくつもりだろうし、子供はほんとにかわいいみたい。時々小晓のことを思い出すだろうけど、みんなそうするように、痛みを抱えながら幸せになるんだと思う。

 一方小晓も、北京で成功はできなかったけど、彼女が地元に帰るということは彼女なりにやりきったと感じたから帰るんだと思う。

自分がやりたいことをやるって言うほど簡単じゃない。周りの人が欲しいものと自分のやりたいことが一致してるならいいけど、そうじゃなくなったとき、何を切り捨てるか?という選択になるからだ。

自分のことをすごく好きな見清を捨てるのって、彼女自身もすごく傷ついたと思う。けど、そこで自分の生きたい人生を選んだ小晓だから、地元に帰ったのも納得した上での選択だったんじゃないか。時々北京での夢を諦めた挫折感を感じながらも、そこそこ幸せに生きていく気がする。これは私がただ信じたいだけかもしれないけど…

 

男の人は見清みたいになりやすい?

これを話した友達が「男の人は見清みたいになりやすいんじゃない?」と言っていて面白いなと思った。

というのは、現在の日本社会だと、女が社会的な成功を得たいと思った時、そこには様々な「なぜ?」が振りかかるからだという。なぜ東京に行かなきゃいけないの?女だからいいじゃない。なぜ専業主婦になるんじゃダメなの?女だからいいじゃない。なぜ転勤のないところに就職して子供が生まれたら時短勤務にするんじゃダメなの?あなたは女だから、メインで稼ぐのは旦那さんに任せたらいいじゃない。

一方男の人にとって、社会的な成功を得るのは、目指して当たり前だと思われていることが多い。男性が東大に行ってむちゃくちゃ年収の高い職を得たいと言ったところで、「なぜ?」を投げかけられる回数は、同じことを女性がしたいと言った時に比べて一般的には少ないだろう。

 

まあこの映画では、小晓は「都会に出て金持ちの男と結婚する〜」という、ステレオタイプな女の幸せを途中まで追い求めているのでこの例にはあんまり当てはまらないし、

今の社会だと、専業主夫になりたい男の人はキャリアを積みたい女の人よりも「なぜ?」と言われる機会は多いと思うんだけど、

自分が何が欲しいのか主体的に考える、という一見して個人の性質のように思えるものが、実は社会的な要素も大きいんじゃないか?

自分の社会的な属性に当てはめられたステレオタイプと違ったことをする人は、より自分が何が欲しいのか主体的に考える機会を与えられやすいのでは?

という気づきを得て面白かった。

(上で「一方見清はそれがわからない。もちろん考えてはいると思うけど、結局他人や社会からの評価が主体になっている。…これは思考力が弱いというわけではなく、社会の価値観を疑問視する機会がそれまであまりなかったからだと思う。」と書いたのは、これを考慮して書いた。)

 

以上!!!

台北のおすすめバー3選

こんにちは。上海でのインターンが終わって1週間、台北で遊んできました。

最初の3日間は九份行ったり博物館に行ったりしていたのですが、そのあと友達が合流してひたすらバーを巡っていました。

だいたい合計8軒か9軒のバーに行ったかな?その中で特に印象に残った素晴らしいバーが3つあったので紹介します。

 

Draft Land

上海でよく行っていたバーのバーテンダーの方に台湾のおすすめを聞いて教えてもらったとこ。

なんと「タップからカクテルが出てくる」バーです。ビールじゃなくて、カクテルなの。こんな感じ↓

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タップなので、カクテルはもともと作ってあって、決められたメニューの中から選んで注文するタイプのお店なのですが、

このカクテルがまじで美味しいんですよね。カクテルでタップで出すのって全然ありなのねwって思った。

メニューは全部オリジナルなので、飲んだことあるものばっかりでつまらない!なんてことは絶対ないです。むしろ店員さんと相談しながら何飲むのか決めるのがとても楽しい。試飲もさせてくれます。

 

あと内装がすごく素敵でした。Industrialっていう言葉がぴったりな、灰色のコンクリートの壁で薄暗い照明。上海で行ったALLというクラブになんか似てた。

でもかっこつけてるわけではなくて、外の席では地元の若者が集まって夜風に吹かれながら飲んでる。

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値段は一杯600円くらいのものが多いので、バーであることとカクテルの味を考えるとすごく安いと思います。台北に住んでたら絶対通うわ。

…とか言ってたら東京にもできるらしい!!!!!!!! 

 

R&D

2016年のAsia's Best Barsにランクインしたバー。超人気店でした。

お酒のクオリティはもちろん高いのですが、ここは特に接客が最高だった〜!

まじで全員フレンドリー。わたしと一緒にいた友達がここにハマって、3日連続😇行ったのですが毎回「Hey guys!!!」と迎えてくれてよかった。

 

バーテンダーとワイワイ話したい!みたいな人はここ気にいると思います。

ただ、週末はめっっちゃくちゃ忙しそうなので、平日に行くことをおすすめします。バーカウンターに座ってね。

 

新鮮なフルーツを使ったカクテルが売りらしいんですが、

わたしはパクチーのカクテルの印象が強すぎてあんまり覚えていないです

バーテンダーの方にパクチーのカクテルに激辛?のスパイスを10滴?垂らしたカクテルがあると聞いてノリで頼んだら普通に美味しかったけど、めっちゃパクチーだった)

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バーカウンター+ダイニングでダイニングが結構広いので、

わたしは広くて賑やかなバーはあまり好きじゃないのでアレッと思ったものの、ここはバーとダイニングの間が壁で区切られているので、気にならなかったです。

 

あとご飯もあって、美味しかった!バーカウンターに座るなら2〜3人が限度だけど、グループできてワイワイするのも楽しいと思います。

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Ginspiration

ジン・ジンベースのカクテルがメインのバーです。台北で行った中で一番オーセンティックだった。

美しすぎるな。

 

中は3階建? なのですが、一つ一つのフロアが狭いので落ち着いて飲めます。

ジンって聞くとアルコール度数も高いし、味も独特だしで敬遠する人も多いと思うし、まあ私もジンのロックとかはそんな好きじゃないのですが、

ここは素晴らしいバーテンダーがいるのでなんでも美味しかったです。ジンの味自体が好きじゃない人もすごく楽しめると思う。

 

ここも接客がとてもよくて、バーテンダーの方が色々話しかけてくれます。

あとなんか隣に彼女と座ってたお兄さんが超フレンドリーに話しかけてくれて楽しかった〜客層がR&Dよりも年齢高めなので、落ち着いて飲めるしお客さんも良い人が多そうやなと思った。

Draft LandもR&Dも違う良さがあるけれど、1人で飲むならGinspirationかな。

 

 

以上!台北のおすすめバー3選でした〜

上海で考えたこと

2月の初めから中国上海に来ている。2ヶ月近く滞在する中で考えたことを書き残しておく。

 

「魔都」上海

まず、上海は夜が楽しい。

 

おしゃれなバーがたくさんあって、クラブ文化も盛ん。終電はアホかってくらい早いけど、タクシーがめちゃくちゃ安いのでタクシーを乗り回して遊べる。

何より、夜の街灯が美しい。オレンジ色と黄色の中間みたいな色で街灯が統一されていて、その色に照らされた上海の町並みは見ていて惚れ惚れする。

上海の町並みは、都市計画とか建築はまったくわからない私が見ても面白くて、ヨーロッパ風の建物が多く残っている地区では、フランス風の建物の窓から、住人の洗濯した下着が無造作にぶら下がっていたりする。

私が住んでいる地区は、社会主義感がすごい無機質なアパートが並んでいて、道路は日本に比べたら綺麗とは言えないし、何してるかよくわかんない人も結構いる。ハリウッド映画で見る「中国」みたいな。

 

そういう「アジア感」がすごい風景が、ジャズが似合うオレンジ色の街灯に照らされる風景は、なんとも魅力的だ。

というか、魅力的だどころではなくて、この風景は私の心をマジでブチ抜いた。アジアとヨーロッパが混ざりあう(融合ではない)中に、アジアの生命力を感じるみたいな感じ?

たぶん街灯の色は別に上海特有のものではないだろうし、バーやクラブはたくさんあると言えどそれは東京も同じかそれ以上にあるのだが、

この「アジア」「ヨーロッパ」を意識させられる美しさっていうのは、東京では見つけにくい気がする。他の中国の都市ではあるのかも。

 

昔中国が欧米列強に分割されていた頃、上海はその魅力ゆえ「魔都」と呼ばれていた。

らしいんだけど、すっごくわかる。花の都でも、美の都でもなく、魔都というのがしっくりくる。

 

上海で会った人たち

私は上海に友達がいなかったので、誰かと知り合おうと色んなところに出かけていて、結構色んな人に会った。

 

中国語ができないので英語でコミュニケーションできる人限定だが、それでも何人かの中国人と知り合った。

みんな上海以外の都市出身の子たちで、私は中国の他の地域のことを知りたくて、その子達の出身地について色々(といっても気候とか簡単なこと)聞いていたのだが、帰ってくる答えが本当にてんでバラバラで面白かった。方言もまるで違うしね。

上海に対する感想もみんなバラバラで、深センから来た子は上海は寒すぎるとずっと文句を言っていたけど、成都出身の子は上海はとにかく広くて夜遊びが最高に楽しいと言いながら男と消えていった。

 

あと、上海で会った欧米人たちは、なんかよくわかんない人達が多かった。これは全体的な傾向というわけではなく、私が会った欧米人たちは仕事場で話した数人以外はバーとかクラブとかで会った人が多いからだと思う。彼らがなんの仕事をしているのか未だによく理解していない。

 

その中でも特に中国に3年いるブラジル人と仲良くなったのだが、彼の中国観はけっこう面白かった。

彼にとって中国は「ルールがシンプルで、それさえ守れば問題ない」国らしい。泥棒はダメ、殺人もダメ、政府をオープンに批判するのもダメ、というルールさえ守れば、死ぬことはない。ルールを守っても殺される可能性があるブラジルは違う。と彼は言っていた。

やたら私に中国語をやれと何度も言ってくるところとか(やっとるわ)、西欧批判を繰り返すところ(同じ話を何回もするな)はうざかったけど、日本で生まれ育った私とはかなり異なった見方で中国を見てるのがわかって話してて面白かった。

 

色んな人に会ったと言いつつ、結局私は中国語が話せないので、見える世界は限定的なことはわかっている。これから中国語が上達するにつれて、中国への印象は変化するだろうし、その変化を自分の体で体験できるのが楽しみ。

 

英語が通じない

言語の話で思い出したけど、上海、英語はほとんど通じない。東京と同じくらい通じない。

なので、私は翻訳アプリとジェスチャーを駆使して毎日生きている…もう慣れたけど、最初は結構大変だった。翻訳アプリとジェスチャーのみで銀行口座開設したからね。何も理解できないまますべてが終わっていた。

けど、人が本当に優しいのでなんとかなっている。英語がわからなくても、ジェスチャーとか駆使して全力で助けてくれようとする(ことが多い)。これも東京みたい。

 

アメリカでは、「英語がわからない奴は帰れ」みたいなプレッシャーがあった。

あるよね?英語がわからない=お前が悪い みたいな。別にその態度自体は悪いことではないと思うし、むしろ、まあその国でその国の言語を話すのは当たり前じゃね?くらいに思っていたので、中国ではもうめちゃめちゃな態度を取られるだろうなーと思っていた(英語以上に中国語はマジでわからないので)のだが、来てびっくりという感じ。

 

良い悪いを論じる気はまったく無いけれど、人間の性質としてやっぱり、優しい態度を取られると嬉しいしその国への印象はよくなる。

ということで、観光に絞って言えば、日本において、英語がわからなくても頑張って英語を話して観光客を助けようとする人が多いというのは、かなり大きな財産なのでは無いかと思った。

 

テクノロジー

中国語がわからない人間にとって大きな助けとなるのが、中国のIT。

「頼みたいメニューの読み方がわからず、指差して注文しようにも指差せる位置にメニューがない(頭上とか)」「電話でタクシーを呼ぶのは絶対に無理(だがしかし終電がない)」という人にとって、

外卖(Uber Eatsみたいなやつ)とDidi(Uberのパクリ)は、中国語を話さなくても美味しいものが食べられてタクシーが呼べる救世主…。

あと日本では中国のキャッシュレス決済が話題になっているけど、これはマジでそう。小さい屋台ですら、スマホ決済用のQRコードがある。

キャッシュレス決済は基本的に中国国内の銀行口座を持っていないとアカウントが作れないので、最初まだ銀行口座がなかった時は現金で決済していたのだが、大きいお札しか持っていなかった時とかは、「おつりがない事件」が結構発生した。まあ結局なんとかなるんだけどね。みんな本当に現金を使わないんだなあと感心した。

中国のIT事情に関してはこのブログが面白いです↓

tamakino.hatenablog.com

 

好きなカフェ「一木家 Cafe Chez W」

私はカフェとかバーとか巡るのが好きなのだけど、それはお気に入りを見つけるために巡っているので、いざ見つかると執拗なくらいに通い詰める。バークレーでは毎週末Blue Bottleに行っていた。

 

上海で私がお気に入りゆえに執拗に通いつめたカフェが「一木家 Cafe Chez W」。検索すればすぐ出てくるけど、外観もこじんまりとしていて素敵だし、中には木製の家具や色々な小物があり、見ていて飽きない。お皿やカップも、いちいちユニークな色と形をしている。そしてもちろんコーヒー(とアボカドトースト)が美味しい。

 

オーナーはかなり若い。最初話した時、私は彼のことをバイトだと思っていて、「毎週土曜日のシフトなの?」と聞いたら「いや、僕はここを経営してるから毎日いるよ」と言われてびっくりした。

パリで料理を勉強していたらしく、パリの料理学校のパンフレットやフランス語が書かれたレコードが店の片隅にあったりして面白い。

彼はいつ行っても穏やかで、変わらない姿になんかほっとする。世の中に変わらないものなんてないんだけど、でもそう思わせてくれるのっていいよね。

毎週通ううちに仲良くなって、今では私が日本に帰る日を気にしてくれている。心あたたまる〜。

 

好きなバー「Sober Company」

あともう一つ、あー好きーという場所がSober Company。

 

このお店は3階に分かれていて、1階はカフェ、2階はダイニング、3階はバーという仕組みだ。(1日にこの3つのスペースを制覇すると、4つ目の部屋に入れるらしい。私は入ったことない)

カフェは外に開かれたオープンカフェで、ダイニングもカジュアルなレストラン、バーは10席くらい+テーブル3つという割と標準的なバーの大きさ。バーには立ち席も少しあって、土曜日は混むので雰囲気が少し変わるが、基本的には落ち着いて飲める。

 

カフェではお酒も出しているのだが、さすがバーが上にあるだけあって、出てくるお酒が本当に美味しい。

初めて夜カフェに行った時、Three Chocolatesというものを頼んだら、カカオとオレンジピールの香りが沸き立つのに、飲むとしっかりウィスキー、というカクテルが出て来て感動した。

カフェでこのレベルだから、バーで出てくるお酒はまじでやばい。干支をテーマにしたカクテルシリーズがあるのだが、「蛇」のカクテルをおすすめされて飲んでみたら今までに飲んだお酒で一番好みだった(笑) ウィスキーベースのカクテルで、香りは非常にスモーキーだけど、味は少し甘い。ウィスキーに何を混ぜているのか聞いたけど忘れちゃった。

この前行った時帰りに飲ませてもらったショットも、抹茶が入っていて美味しかった…(これも何がベースなのか聞いたが忘れちゃったけど)。ショットが美味しいなんてある?

 

接客も程よくフレンドリーで素敵だ。

夜カフェに行った時はウェイトレスの女の子が注文を取るついでに話しかけてくれて、読んでいた本とかについても聞いてくれて楽しかった。その時読んでいた本が日本会議についての本だったので説明にめちゃめちゃ困ったけど。

バーでも、基本的にプロフェッショナルな接客なんだけど、時々崩れるのが楽しい。それも含めてプロなんだろうけど。マネージャーが日本人の方で、気づいて声かけてくれるのも楽しいし、この前ずっと接客してくれたバーテンダーの男の人は女遊びしてそうな発言がちょこちょこ出ててウケた。

 

あとは、地味にかかっているBGMがすてき。

バーではジャズが流れているが、ジャズと言ってもピアノとかリラックス系ではなくて、バンドが演奏する少し華やかめなジャズ。この前行った時はJohn ColtraneのA Love Supremeが流れていた。

ダイニングは1度しか行っていないから忘れちゃったけど、カフェでは夜、ファンクが流れている。ファンクだよファンク!

 

政治の話はタブー

上海に来る前に2日間だけ香港に立ち寄ったのだが、香港は香港ですごく良かった。

ていうか私は今の所香港の方が好きだ。あの雑然とした街並みが大好きというのもあるが、一番はフランクに政治の話ができるから。

 

カフェやバーで会った人に何を勉強してるの?と聞かれて、中国政治と答えるとすごくフランクに香港の今の状況(共産党の締め付けが強まっている)について話してくれる。2日間しかいなかったから深い話をしたわけではないが、政治の話がすごく自然に日常会話の中で出てくるのが印象的だった。

私も勉強し始めてから知ったことだけど、香港にはイギリス統治時代からデモの文化が根付いていて、政治に不満があると市民はデモという形で立ち向かう。今回私が香港に行った1日前まで、「香港衆志」という若者が中心の政党が、イタリア広場で大規模な集会を行なっていた。

 

上海はやっぱり違う。本土というのもあるし、人もビジネスをしに集まっている人が多いから、「タブー+興味がない」っていう感じで、上海で会った人と政治の話は基本的にしない。

というか、中国政治を専攻している、って言った瞬間「おお…」みたいな反応をされ気まずくなることが何回かあったので、あまり言わないようにしている。

もちろんもっと仲良くなれば深く切り込めるのかもしれないけど、そうだとしても初対面であちらから政治の話をしてくる香港との違いは印象的だった。

 

これは上海人を批判しているわけではなく、政治体制や上海がビジネス都市であることを考えると当たり前だと思う。

けどそれと私の好き嫌いは別なので、私は香港が好きだなあ!次に時間ができたら香港に長期滞在してみたいなあ、と考えている。

留学してよかったこと

留学なんて大昔のように感じる今日この頃ですが、このブログの下書きを見ていたら去年の4月に書いた振り返りがあり、マジでくだらなくて笑ったので公開します。なんか深夜に突然思い立って一気に書いて寝た記憶がある。

 

ーーーーー

留学生活も残すことあと数週間ということで、留学生活してよかったなと思うことをつらつらと書き残してみます。

 

掃除をしないと人は死ぬ

留学に来る前、実家で暮らしていた時のわたしは「掃除をする」という習慣が皆無でした。

3ヶ月に1回くらい母親に「明日まで部屋を片付けないと2万円罰金」と言われるのでその時は物を片付けていましたが、基本的には机の表面は見えず、ベッドの上には服が常に10着くらい散乱しており(服を掛け布団がわりにしながら寝ていた)、掃除機をかけたことは1度もありませんでした。

 

バークレーに来てもその習慣は変わることはなく、ルームメイトはわたし以上に汚い部屋に耐性がある人だった(彼女のブラシには髪の毛が3センチくらいの層を作っている・彼女がシーツを洗濯しているのを見たことがない)ので、

私たちの部屋はもちろん掃除機などかけられることもなく、わたしの机の上には本が積み重なっていました。あとなんか床に謎の毛玉が散乱してたこともあった。

 

まあ20年間それで生きているので特に嫌悪感も何もなかったのですが、11月に転機が訪れます。

咳が3週間ほど止まらなくなったのです。

 

カリフォルニアの空気は乾燥しているため、来たばっかりの頃は喉を痛めることもよくあったので最初は放置していたのですが、3週間も続くのは流石におかしい。あんまり良くもならないし。

何が問題なんだろう、マスクした方がいいのかな〜と考えていたのですが、まあお気づきかとは思いますが原因は部屋でした。

 

というのも、友達に「部屋に掃除機をかけたことが1度もない」と言ったところドン引きされて、今すぐかけろと強要されたので渋々かけたのですが、そうしたら次の日から咳がピタッと止まったのです。

 

それまでのわたしは、掃除は「生活のクオリティを上げるもの」だと思っていました。

汚い部屋よりは綺麗な部屋の方が気分がいいことはいい。でも、部屋を使っている本人が良いなら汚いままでもいいじゃないか、汚さへの許容度は人それぞれ違うんだからと。

 

でも、この経験を通して、掃除をしないと人は死ぬということを学びました。

定期的に掃除機をかけ、換気をし、埃を拭き取らないと、人は病気になるのです。マジで。もちろん個人差はありますが、「これを超えたら病気になるよゾーン」は存在するんだなあと思いました。

 

それからわたしは本当に毎日換気をし、毎週掃除機をかけ、机を拭いています。20年間母親に怒られ続けても変わらなかった習慣がこうも変わるなんて、やっぱ人は病気になると違いますね。

あとは机の上にある棚のディスプレイをちゃんと考えるようになりました。好きなコスメや友達の写真を綺麗に並べると、「自分の城」って感じがして守りたくなります。

 

ルームメイトは何も変わらないので相変わらずシーツは洗濯しないし机の上に食べかすが散らばっていますが、ルームメイトのぶんまで掃除しています。成長がすごい。

 

これは親元を離れないと分からなかったことだと思うので、自分の子供が大学生になったら絶対に一人暮らしさせようと思いました。自立、大事。

 

友達を部屋に呼んで飲むのは本当に楽しい おもてなし結構好き

そうやって部屋を綺麗にするようになると、自然と友達が集まって来ます。寮生活で、誰かの部屋で集まろうとなった時に、部屋が綺麗だと「うちの部屋は?」と言えるんですよね。

そういう時にただ場所を提供するだけじゃなくて、お菓子やお茶を出したり、お酒があるときはおつまみを冷蔵庫から出したり、飲みすぎた人に水のペットボトルを渡したり、っていうちょっとしたおもてなしが自分は好きなんだなあという新発見がありました。

 

特に2学期目は、女の子たちがわたしの部屋に代わる代わる飲みに来てついでに恋バナしにきてちょーーーー楽しかった!わたしができるのは話聞いてリアクションするくらいですが、この時間でみんなとさらに仲良くなれた気がします。

 

だからルームメイトはいない方がいい

こういう集まり、ルームメイトがいるともちろんできないです。わたしのルームメイトはちょくちょく実家(ロサンゼルス)に帰ってたのでできていたのですが。

だからルームメイトはいない方がいい。一人部屋最高!!

 

もちろん元々超仲良い友達とルームシェアするのは話が違って来ますが、寮の場合は他人と突然同居するわけです。生活習慣も違うし、交友関係も違う。

わたしのルームメイトはめっちゃ良い子で1度も喧嘩したことがなかったけど、それでも一人部屋ほしいとずっと思ってました。

今後また留学することがあったらぜっっったい一人部屋を選択します。

 

うるせえ男は世界共通でうざい

もちろん寮にいるのはイケメンや素敵な人だけではなく、毎週末廊下で騒ぎまくるうるさい奴もたくさんいます。

 

特に寮でトップレベルにうるさい男がわたしの目の前に住んでいる人と仲がいいらしく、わたしの部屋の前の廊下でギャーギャーでかい声で騒ぐので、何度かドアを叩いたり突然ドアを開けてお前らうるさいわアピールをしたりしていましたが、まあそれくらいで治るならあいつはそこまでうるさくないんですよね。

一回わたしがロビーのソファで勉強しているのにそこに座ってテレビをつけて大音量でNetflixを観始めたので、舌打ちしてから立ち去ったこともありました。

これくらいの反撃しかできなくて悔しい。なんか気の利いたこと一発言えるようになりたい〜。

 

国が変わろうと国際的で「Respect Difference♡」みたいな環境だろうとうざいもんはうざいし嫌いなものは嫌い。

よく「違いを認めあおう」とか言うけど、つまるところそれは自分と違う相手を差別したり殺したり戦争しなければいいのであって、相手も同じ人間であることと相手のウザさは相手が属するカテゴリーには関係ないことさえ忘れなければ(差別はダメってこと)誰を嫌おうと誰と友達にならなろうと自分の勝手だなと思いました。

 

言いたいことを言えるようになってもまだまだ壁はある

これは英語について。

1年いて自分が言いたいことは大体言えるようになったけれど、その上にさらに「自分の言いたいことを自分の言いたいニュアンスで話す」という段階があるんだなあと感じました。

わたしは日本語だとここら辺が楽しくて、それゆえに人といることが大好きなのですが、英語だとまだそれを楽しめるレベルにはいないので、日本語でコミュニケーションを取る時ほどの楽しさは感じません。

 

これに気づかないうちは、英語でのコミュニケーションがちょっと辛かったです。色々と話しているはずの友達にも日本人の友達よりも心を開けなくて、なんでだろう?とずっと考えていました。

理由がわかった今は、英語を勉強し続けるしかないな〜という気持ち。日本語と英語は違う、と切り分けてもいいしそっちの方が楽ではあるんだけど、英語で心を開けるコミュニケーションができると自分の人間関係がめちゃめちゃ広がるということがわかっている以上、やらずに諦めることはしたくないなあと思います。

 

留学は特別視野を広げてくれるわけではない

よく留学記であるのが留学して色んな人と話して視野が広がっただのなんだのっていうことですが、それは特になかったです。

それよりも、あ〜やっぱ自分は人といるのが好きだな〜とか、あ〜やっぱ中国政治って面白いな〜とか、日本で考えて積み上げてきたものが再確認されたという印象です。

インターネットで外国のニュースもブログもスレッドも動画も見られる今、カルチャーショックって日本でも得られるんですよね。得ようと思えば。

 

もちろんバークレーと日本で違うところはたくさんあるし、バークレーに来て得た新たな視点もある(それこそうるせえ奴はどこでもうざいとか)けれど、

「異質な他者に触れて驚く」という経験自体は人生の中で日本でもたくさんしてきているわけで、留学に来ず日本で1年を過ごしたとしても、それはそれでまた違う新たな視点を得ていただろうと思います。

 

まあバークレーで会った友達はマジで最高だったし上述の通り色々と学ぶことが多かったから本当に来てよかったと思っているけど、

常に自分を変えていこうという意識がある限り、日本にいようが外国にいようが何かしら学ぶことはあるなと感じました。一生思考し続けるぞ〜

ーーーーー

 

今読んでもその通りだなと思うんですが、一点英語に関しては、最近はそんなに労力をかけず話せるようになりました。もちろん日本語に比べて表現の幅は超狭いし、単語が出てこないこともたくさんあるのですが、留学時に感じていた、長い間英語で話した後のどっと疲れる感じはなくなりました。

日本帰ってひたすらネットフリックスでSuitsとかHouse of Cardsを観てるのですが、英語字幕でネットフリックスを観てるとだんだん頭の中の言語が英語になっていく感じがするので、それがよかったのかな?よくわかんないけど。

東大で留学生用の授業をとってるのですが、そこで会った子たちとも日本語で話すときと同じように仲良くなれてとてもうれしいし達成感がありました。でもライティングは相変わらず全然できないのでまだまだ勉強だ〜

ミュージカル初心者におすすめしたい作品5選

こんにちは。勉強をしたくないので、初心者におすすめのミュージカルについて書いてみようと思います。

 

評価軸は、

①ストーリーが面白くかつわかりやすいか
②曲が耳になじみやすいか
③見た目が華やかか

です。

やっぱストーリーが難解すぎたり、曲が超前衛的だったり、見た目が2時間代わり映えなしなかったりすると寝るじゃないですか。

 

「ミュージカル見たことないしそもそも芸術系よくわからん」って人が行っても絶対楽しい!作品をあげていきます。

人生でミュージカル1個くらい見ておきたい、とか、ニューヨーク旅行することになったからブロードウェイ行ってみたい、とか思った時に役立ててください!

 

誰が見ても絶対楽しいミュージカル

キンキーブーツ(Kinky Boots)

イギリスの倒産寸前の靴製造工場の若いお堅いオーナーであるチャーリーと、そりが合わなそうなドラァグ・クイーンのローラがそれまで製造してきた紳士靴ではなく、ドラァグ・クイーン向けの特注靴の製造を計画し、共に工場の経営を立て直す物語

(引用:キンキーブーツ (ミュージカル) - Wikipedia

キンキーブーツの良いところは、マジで曲が最高なところです。

シンディー・ローパー(Girls Just Wanna Have FunとかTrue Colorsとか歌ってる人)が作曲しただけあって、全部耳馴染みが良い。聴くのが初めてでも、初めてな感じがしないんですよね(パクリということではない)。

 

あとドラァグ・クイーンとブーツをテーマにしたミュージカルなだけあって、衣装とか舞台装置もめっちゃ楽しいです。キラキラで眩しい。衣装は舞台用の華やかなドレスがたくさん出てくるし、ドラァグ・クイーンたちのブーツから伸びるまっすぐで引き締まった足を見てると、マジで人間って美しいなって思う。

 

ストーリーは重荷を抱える主人公2人が努力と仲間の助けでそれを乗り越える!的な普通のハッピーエンドなのですが、

その重荷というのが「父が命をかけて守ってきた工場を自分の無能ゆえに潰してしまうかもしれないという不安」「男らしさを強要する父に対して、"女らしい"ものに惹かれる葛藤」というなかなかヘビーなのも最強に好きです。

 

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私は英語版しか観たことがないのですが、三浦春馬小池徹平主演で日本語版もやってるみたいですね!YouTubeの動画を観たのですが、三浦春馬ドラァグ・クイーンめっちゃ美しくてびっくりしました。あと歌上手いですね〜〜〜

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キンキー・ブーツは曲もビジュアルもストーリーも、快楽を脳内にぶち込んでくる感じで、観ると強制的に幸せになれる感じがします。

 

マンマ・ミーア(Mamma Mia!)

お次はマンマミーア。最近映画の続編が公開されていたので知っている方も多いのでは。映画も良いけど、劇場もすごい良いですよ!

舞台はギリシャエーゲ海の架空の島にあるホテル。ホテルのオーナーであるドナ・シェリダンと娘のソフィは、親子二人で仲良く暮らしていた。

そのソフィの結婚式が明日に迫り、招待客が船で島に到着しはじめる。ドナは古い友人のロージーとターニャを迎えに行き、久し振りの再会に大喜び。

一方ソフィは自分の友人達にある計画を打ち明ける。ドナの日記を盗み読みした彼女は、自分の父親候補が3人いることに気付き、その3人の男性にドナの名前で招待状を送っていたのだった。ヴァージン・ロードを父親と歩きたいと願うソフィ。もちろんドナはこの計画を知らない。父親候補のサム、ハリー、ビルはそんな事情も知らずに、20年ぶりにドナに会いに戻ってくる。

(引用:マンマ・ミーア! (映画) - Wikipedia

 

 マンマミーアの良さはやっぱり、ABBAの曲のみで構成されているので、初めて観た人でも曲は絶対知っているところです。

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たのし〜

 

衣装もきらびやかでダンスシーンもあって楽しいんですが、一番の見所はカーテンコールです。

他のショーのカーテンコールって、みんな出てきてお辞儀して、曲の1節だけ歌って終わり、みたいなことが多いんですが、マンマミーアはカーテンコールがめちゃ豪華なんですよね!

私が観たときは劇中の曲のメドレーをやってて、お客さんも立って踊って大盛り上がりでした。日本ですらこうだったから、アメリカだとめっちゃ楽しいのではないだろうか…(アメリカでは観客のリアクションが全体的にでかいので)

 

アラジン(Aladdin)

次はディズニー。

ディズニーのミュージカルの良いところは、「今までアニメとかで観てきた世界が、目の前で繰り広げられてる!」っていう興奮を味わえるところですね。めっちゃ上手くいった実写化みたいな。

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私はサンフランシスコの劇場で観たのですが、 その時のアラジン役が上の動画にも出ている初演キャストAdam Jacobsで、表情と動きが本当にアニメから出てきたようなアラジンそのままで感動しました。あとめっちゃイケメンだった。

 

ディズニーといえば、アナ雪もブロードウェイでミュージカル化されてます。観たことない&今はやってないのでリストには入れなかったのですが、この動画を観てあっっブロードウェイ行きたい…ってなりました。

Let It Goのエルサがお城立てるシーンが圧巻。

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ブックオブモルモン(The Book of Mormon)

ウガンダでの2人の若いモルモン宣教師たちの布教を題材にしたミュージカル・コメディ。モルモン書を題材に、モルモン教の信念や教義を風刺している。

(引用:ブック・オブ・モルモン - Wikipedia

超超超おすすめです。この記事に上げた作品の中で、私一番好きかもしれない。

理由はマジで笑いっぱなしだから。2時間ずっとモルモン教を延々とネタにしてて、セリフはほぼ全部ジョーク。

モルモン教徒大丈夫なのか?と思うけど意外と歓迎されているらしい。寛容…)

内容とジョークがマジでギリギリでほぼ100%日本上陸しないので、英語がわかる方限定ですが…

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この動画だけでも面白いけど、実際通して観るとこの動画はただの一部だったんだなってわかります。本当にウケる。

気になる方は歌詞を検索して読んでみてください。曲はなんでもいいです。全部おかしいから。

何度も言いますが英語聴き取れる自信がある方には、これが一番のおすすめです。

 

ウィキッド(Wicked)

言わずと知れたウィキッド。周りの人で、旅行でニューヨーク行くんだよね〜って言ってた人だいたいウィキッド観てた気がします。

 

オズの魔法使い」の前日譚で、西の悪い魔女・エルファバと、南の良い魔女・グリンダが主人公の物語。

「いかにしてエルファバは”悪い魔女”になったのか?」というテーマが描かれています。

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昔話って勧善懲悪の物語が多いけど、現実には100%悪の人間なんていないわけじゃないですか。

「その善悪、誰が決めたの?」

って劇中ずっと語りかけてきます。最高。好き。

 

でも全然堅苦しくなくて、劇場には子供がいっぱいいます。

舞台がやっぱりオズの国というファンタジーなので、舞台装置は超豪華だし、衣装もキラキラ、曲も耳馴染みが良くて、特にDefying GravityはGleeで取り上げられたり他のミュージカルコンサートでも死ぬほど歌われたりと、超有名ですね。

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個人的に好きなミュージカル

完全に今回の記事の趣旨とはずれるのですが、私は「イントゥ・ザ・ウッズ(Into The Woods)」と「レント(Rent)」が大好きです。

イントゥ・ザ・ウッズについては前にUmeeTで書いたので省きますが、

todai-umeet.com

レントもまじで最高なんですよ〜〜〜

1989年12月24日からちょうど1年間のニューヨークのイーストヴィレッジが舞台。元ロックミュージシャンのロジャーと、ルームメイトで自称映像作家のマークは、スクウォッターハウス化した倉庫ビルを占拠してボヘミアン的な日々を送っているが、ビルのオーナーのベニーから滞納している家賃(レント)を払うか退去するよう求められる。

彼らを中心に、ゴーゴーダンサーのミミ、大学講師でハッカーのコリンズ、ストリートドラマーでドラァグクイーンのエンジェル、アングラパフォーマーのモーリーン、ハーバード大卒エリート弁護士のジョアらが、貧困と病魔に苛まれる日々の生活の中にも愛と生きることの喜びを見いだしていく。彼らの中にはゲイやレズビアン、ヘロイン中毒、そしてHIV陽性の者もおり、こうした登場人物たちによって、1980年代終わりのニューヨークの世相と、今では失われた「ボヘミアン イーストヴィレッジ」の世界が鮮やかに描かれていく。

 (引用:レント (ミュージカル) - Wikipedia

 

まず曲ね。みんなSeasons of Loveは知ってるのではないでしょうか。これも最高なんですけど、他にも最高な曲はたくさんあります(ボキャ貧)。私のお気に入りはOut Tonightです。今日は外に遊びに行かないと無理!!!なんかしたいトラブル起こしたいとにかく暴れたい!!!っていう曲です。そういう気分の時ありませんか?

 

なんかRentに出てくる登場人物たちって、みんな若さゆえのエネルギーを持て余してる感じがするんですよね。これがやりたい、この人を愛したい、っていうエネルギーはあるんだけど、貧困とか病気とか偏見とか過去によってそれを結果に繋がる形で発揮できなくて苦しんでるみたいな。

彼らが抱えている問題は深刻で、作品中でみんなが完全に救われるかと言われたらそうではないのですが、そのリアルさが好きです。

映画もめちゃめちゃ成功しているので、興味がわいたら観てみてください。

 

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↑これはレントの曲「Take Me or Leave Me」(劇中ではレズビアンカップルが歌う)を男性2人が歌ったバージョン。めっちゃセクシー。

 

日本ではどこでミュージカルが見れるの?

これよく聞かれるので書いておきますが、有名なのは劇団四季東急シアターオーブですかね。

劇団四季

東急シアターオーブ|TOKYU THEATRE Orb

劇団四季は(知ってるかとは思いますが)日本の劇団で、ブロードウェイの演目を日本語訳したものと、オリジナル演目どちらもあります。非常に成功している劇団で、日本各地に劇場があります。

東急シアターオーブは渋谷のヒカリエにある劇場で、基本的にブロードウェイから人を招いて公演を行なっています。その場合英語ですが、舞台の左右に字幕が出ます!最近は日本語での公演もやってるみたいですね。(2019年4月から三浦春馬主演のキンキーブーツを上演するらしい)

他にも規模がこれよりも小さいミュージカル劇団はたくさんありますが、最初に観るのにはこの2つがいいのかなという感じです!

 

 

以上!!!!!

 

【Neon Vancouver Ugly Vancouver】バンクーバーのネオンサインの歴史

こんにちは。大学が春休みなので、バンクーバーにひとり旅をしにきています。

といっても友達が本当にたまたま同じ時期にバンクーバーにひとり旅しているので、夜はその子と会って飲みにいっているのですが(カナダは20歳以上飲酒OKなので飲める!😊)、日中は一人で行動しています。このスタイルの旅行、自分の趣味を追求できるし寂しくないしでめーっちゃ楽しい。

 

今日はMuseum of Vancouverに行ってきたのですが、そこの特別展示Neon Vancouver Ugly Vancouver」が面白かったのでブログに残しておこうと思いました。

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(↑ 後で検索したらPVみたいなのがありました。ほとんどの展示がこの動画に映っちゃってる上にインタビューで解説の内容もほとんど喋っちゃってるけどいいのだろうか…)

 

Museum of Vancouver自体がそんなに大きくないので、特別展といっても小さい展示でしたが、わたしはバンクーバーがネオンサインでかつて有名だったこと自体初耳だったので面白かったです。

 

なんでも1950年代ごろまで、バンクーバーにはネオンサインがめちゃめちゃあったそうな。

解説はネオンサインが消える原因となった反対運動がメインで、その以前の状態、ネオンサインが煌々と灯っていた頃についての記述はあまりなかったのですが、「vancouver neon」で検索をかけると当時の写真やもう少し詳しい説明がちょこちょこ出てきました。

Huffington Postによると、

In 1953, an estimated 19,000 neon signs lit up Vancouver. That's one sign for every 18 residents, according to the library's description. In fact, 1950s Vancouver was believed to have the highest number of neon signs per capita, second only to Shanghai.

Vancouver Neon Signs Take Us Back To The 1950s (PHOTOS) より)

だそう。といってもぶっちゃけ19,000と言われても実感がわかないのですが、この引用元の記事にある写真を見てるとなんとなくその明るさが伝わってくる気がしました。全部白黒写真なのですが、1つなんかめっちゃ白飛びしてる写真がある。

会場にはWalter Gribaという写真家の写真が展示されていました。フィルム写真なのでやっぱり明るさはイマイチ伝わってこないのですが、単純に素敵な写真でした笑

 

解説によると、1950年代頃までバンクーバーでは多数のネオンライトが灯っていたが、1958年に「The Community Art Council (CAC)」という団体によって反対運動が顕在化したとのこと。

運動は最初はうまくいかなかったものの、CACが運動の対象の地域を絞ったり、人々に市長に手紙を書かせたり、そして裁判に持ち込んだりした結果、1974年にネオンライトを規制する法律が制定され、それ以降ネオンライトの数が激減したそうです。

 

解説文の中にBy 1968, Vancouver Sun headlines cried, “Let's Wake Up from Our Neon Nightmare.」(Vancouver Sun=バンクーバーのローカル新聞)という一文があったのですが、帰ってきたあとバンクーバーのネオンについてネットで調べていたら、

www.vancouversun.com

という昔のネオンサインを懐かしむ記事がVancouver Sun Onlineにwww

Nightmareとか言っておいて調子のいい…。

 

解説文は「NEON IN THE NEIGHBOURHOOD」という題名のもと、商業用だけでなく住宅街にあるネオンサインについても触れていました。一部引用すると、

City Councilors responded to public concern that soon neon would be flashing from every street corner by restricting signage in residential areas to the occasional "for sale” and “garage sale" signs in 1966. But even in the neighbourhoods, large flashing neon appeared on major arteries.

だそうです。

日本だとそもそもガレージセールをやっている家もあまり見ないですが、それを差し引いてもガレージセールの宣伝をネオンサインでやるという発想はすごい。わたしだったら逆に見に行ってしまうかもしれない。

 

会場には実際に使われていたネオンサインが多数展示されていましたが、目にうるさくない程度に明るさも数も制限されており、都会的で美しかったです。

 

個人的には、今のバンクーバーや東京の繁華街にあるネオンサインは好きです。ネオンサインって基本眩しすぎるしデザインも雑だし、繁華街の雑多さの象徴だなあと思うことが多いのですが、わたしは繁華街の雑なところが好きなので。

あとなんとなくですが、ネオンの看板って看板が明るい分店が暗く見える気がして(もしくはネオンが目立つように店の照明を落としているか)、店のアンダーグラウンド感が増して素敵だなあと思います。

 

だけど今のバンクーバーや東京とは比にならないくらいの数のネオンサインに飾られたハリウッドを見たとき、「安っぽいな…」という感想を抱いたのも事実で、昔のバンクーバーが同じような感じだとしたら反対運動が盛り上がるのもわかる気がする。

なんにせよ、思いがけず面白い展示に出会えて良かったです。

 

バンクーバーも残り1日…はやい…その後ポートランドで一泊して、バークレーに帰ります。

帰って1ヶ月したら期末試験で、それが終わったら留学生活も終了!やりたいこと全部やって帰りたいと思います😊

最近話題のポピュリズムについて

こんにちは。2月というのにカリフォルニアはむちゃくちゃ暑いので、毎日タンクトップとショートパンツで寝ています。冬とはなんなのか。

 

相変わらずひたすら論文を読む毎日ですが、Introduction to Comparative Politicsの授業で読んだポピュリズムについての論文が面白かったのでまとめをブログで保存しておきたいと思います。

 

トランプ大統領の出馬以降、日本でもよく聞くようになった「ポピュリズム」。

withnews.jp

 

「日本でも」とか言いつつ、私もトランプ大統領が誕生してから「やばくない…?」と思い(バカ)「ポピュリズムとは何か(水島治郎)」を買って読んだのですが、この本はポピュリズムの定義やどう対処すべきなのか、などがわかりやすく示されている一方で、

(時代超越的な)理論→現代の具体例

と論が進んでいるため、現代のポピュリズムの要素である「移民排除」「エリート批判」「EUへの批判」などが現代の具体例のパートでバーっと出て来て、いまいち頭の中で整理しにくいなあ、と思った記憶があります。めっちゃわかりやすい本なんですけど、私の知識がなさすぎて情報量に沈んだというか。

 

今回読んだ「Distinguising Liberal Democracy's Challengers (Takis S. Pappas)」という論文は、たった14ページの短い論文なのですが、現代のヨーロッパで「ポピュリズム政党」と言われている政党を、「Democracy」「Immigration」「Liberalism」の軸で分類してわかりやすく説明しています。

まあこれも結局理論なので現実の政党はきっちり分類できないと思いますが、軸があるだけでもだいぶ頭の中が整理されました。

ex) 一応先に言っておくと、ヨーロッパ政治をちょっとでも知ってる方には多分これメッチャ基本的な内容です。私はボケっと生きてきたから「わかりやすい〜!」ってなってるけど。

 

論文の情報はこちら↓

Pappas, T. S. (2016). Distinguishing Liberal Democracy’s Challengers. Journal of Democracy,27(4), 22-36. doi:10.1353/jod.2016.0059

https://www.journalofdemocracy.org/article/specter-haunting-europe-distinguishing-liberal-democracy’s-challengers 

 

索引の作り方がてきとう。

ということでまとめ!

 

まとめ

Two crucial things about the recent surge of vatious challenges to democracy in Europe

  1. Not all of democracy’s challengers are the same, despite a promiscuous tendency to label them all “populists”.
  2. Their rise is not traceable to a single cause, and hence should not be expected to prompt a single response.

 

There are three groups, each of which defines itself through its opposition to one of the three main pillars of post-1945 European politics:

  1. Democratic representation
  2. Gradual progress toward greater European integration
  3. Political liberalism

 

Three groups are:

  1. The Anti-democrats (vs. Democratic representation)
  2. The Nativists (vs. European integration)
  3. The Populists (vs. Liberalism)

 

The Anti-democrats (vs. Democratic representation)

・Political parties that wish to delegitimize representative democracy’s normative foundations and subvert its legal-institutional structure.

・The right…ultranationalist ideologies→hostile to the EU

・The left...proletarian dictatorship→hostile to the EU as the brainchild of capitalism

・European anti-democratic parties draw their appeal from opposition to capitalism and economic globalization

ex)

・The right…France’s National Front - Marine Le Pen, Greece’s Golden Dawn, the Movement for a Better Hungary, the Vlaam Blok (VB)

The left…the Communist Party of Bohemia and Moravia

 

The Nativists (vs. European integration)

・The policy of protecting the interests of native-born or established inhabitants against those of immigrants.

・Strongly opposes immigration and EU multiculturalism

・Unlike anti-democrats, they fully committed to parliamentary democracy and constitutional legality.

・Unlike populism, nativism does not work against political liberalism for the natives.

 ex)The Freedom Party of Austria, The Dutch Party for Freedom, The Danish People’s Party, The U.K. Independence Party, Alternative for Germany

 

The Populists (vs. Liberalism)

Democratic illiberalism (allegiance to democracy & illiberal tactics)

・Three conclusions from today’s Europe

  1. Populist parties have emerged most prominently in the continent’s south and east
  2. Most of these populist parties do well in elections.
  3. Populism may grow strong on the right or the left

ex)The Panhellenic Socialist Movement, Forza Italia, The populist Direction party

 

What to do?

・Anti-democrats

…Opposition formation, Militant democracy (= A resolute state that uses its available legal and constitutional means to restrict the action of extremists)

 

・Nativists

...Specific treatment, better policies

 

・Populists

...It thrives where political institutions, especially the rule of law and safeguards for minority right, are weak it polarization and majoritarian tendencies are strong.

 

 

今学期は時間に余裕があるので、読んだ論文は全部要約を作っているのですが、自分でも内容を覚えてられるしディスカッションでもコンスタントに発言できるしでいい感じです!

春休みのバンクーバーポートランド1人旅を楽しみに勉強がんばります。ばいばい!