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UCバークレーでの1セメスターを終えて / 勉強に関する雑感

3日ほど前に留学先・UCバークレーでの期末試験がすべて終わり、冬休みに入りました。

留学に来て経験したこと、考えたことを記事の形で残したいという気持ちはずっとあったのですが、学期中は本当に!時間が!ない!

なので、授業がすべて終わり、冬休みに入ってからやっとブログ第1弾を書いています。といいつつこの記事は勉強についてです。なぜならわたしのバークレーでの思い出はほぼ勉強だからです。

なんでそんな勉強したのかとか、授業はどういう形でどういう勉強をしていたか、来学期はどうしていきたいのかとかをつらつら書き連ねていきたいと思います。受験生かな???

留学プログラム・取っていた授業

わたしはそもそもどういう形でUCバークレーに留学しているかというと、American and International Study Program (AISP) というプログラムで、東大から1年間派遣されるという形で留学しています。

交換留学に限りなく近いですが、交換留学だとかなり自由に授業を取れるのに対し、AISPはPolitical Science Department(日本語だと政治学部かな??)のプログラムなので、ポリサイの授業を毎学期8単位取らなきゃいけなかったりと授業面などでちょっと制約があります。

※なんで交換留学じゃなくてAISPにしたのと思われるかもしれませんが、東大はまずUCバークレーと交換留学の契約を結んでいないので、交換留学生としてUCバークレーに行くことはできません。

留学プログラムについての説明は

todai-umeet.com

に書いたので、興味のある方は読んでみてください!

 

今年東大からAISPに参加したのはわたししかいなくて、他の子たちは全員早稲田から来ています。

このプログラム結構謎で、名前を入れて検索してもあんま情報出てこないし、アジアの大学全体が対象かと思ったら日本の大学からの子だけだし、なんやねんという感じなんですが、

アドバイザーが手続きを代わりにやってくれたり親身に色々相談に乗ってくれたり、ポリサイで取りたい授業を申請すると席を保証してくれたりするので今のところわたしはいい感じです。(ポリサイ以外の授業を取りたがってる子は不満みたいだけど)

 

わたしが今学期取った授業は以下の3つ。

・Introduction to American Politics

・Introduction to International Relations

・Northeast Asian Politics

American Politicsは週3時間の講義に週2時間のディスカッション、他の2つは週3時間の講義に週1.5時間のディスカッションでした。

授業時間自体は大したことないのですが、やばいのがリーディングの量で、1つの授業につきだいたい週100ページ課されます。全部で週300ページ。これにプラスでコンスタントにライティングの課題が何かしらあるので、全部やろうとすると生活が死にます。 

そして全部やろうとしたわたしの生活がこちら↓

 

8:00 起床

8:00-9:00 朝ごはん

9:00-10:00 勉強

10:00-11:00 授業

11:30-12:30 昼ごはん

12:30-13:30 昼寝

13:30-17:00 勉強

17:00-18:30 授業

19:00-20:00 夜ご飯

20:00-21:00 シャワー浴びて歯を磨く

21:00-2:00 勉強

 

授業の始まった8月から10月くらいまでこんな感じでした。これは平日ですが、休日はちょっと睡眠時間が増えるくらいで、起きてから寝るまで基本ずっと勉強してました。

受験生かな???

 

ただ、中間試験が9月の終わりから10月にかけてあった(1つ1つのクラスが好き勝手に日程を指定するので、週に1回何かしらの中間試験がある状態が1ヶ月続きました)のですが、

その期間にバークレーからほとんど出ずにひたすら勉強し続けた結果精神が死んだり、あとなぜか11月はじめに倒れて救急車で運ばれたりして、

「もうちょっと遊んだほうがいいな…」

と反省したので、11月はもうちょっとゆるい生活を送りました。12月は期末試験なので元の生活に戻ったけど…

実際どれくらい勉強するのか

といっても全員がこんな生活を送っているわけではありません。

ポリサイは他の学部に比べてリーディングが多いことで有名なくらいなので、例えば経済学部の授業をとるとリーディングがグッと減るみたいです。(まあ経済は経済で他の大変さがあると思うけど)

あとぶっちゃけリーディングは全部読まなくても怒られるわけではないので、同じ授業を取っている子でもだんだんリーディングを読まなくなった子とかは結構いました。多分ネイティヴの生徒も全部は読んでない。

勉強しない分の時間は旅行、パーティー、クラブ活動、Netflixあたりに使う子が多かった印象。

 

留学生活で何をするかって、つまりは目標をどこに設定するかだと思います。

いろんなバックグラウンドを持った人と深く付き合いたい、というのが大きかったら勉強に全振りするよりクラブとかに入ったほうがいいし、留学先の文化について知りたい、とかだったら現地の友達作りを頑張るべきでしょう。

わたしはシンガポール人のグループと仲がいいのですが、彼らはシンガポールではめちゃくちゃ勉強しなきゃいけないらしく、「留学中の成績はGPAに入らないし、この1年は休暇の1年」といって毎週末わけわからんくらい遊んでいます。

 

わたしも最初は、英語を話したい、そもそも東大から1人しか来ていないので友達を作らないと孤独で死ぬといった理由で友達作りをめっちゃ頑張っていたのですが、

授業が始まり勉強に忙殺されたり、心を許せる日本人以外の友達が何人かできたり、日本人とも仲良くなってきたタイミングで、

日本人ですら合わない子とはなんとなく距離をおくんだから、国籍どうこうよりも生活習慣とかノリが合う人と一緒にいればいいんじゃないかな〜

と思うようになり、そしてどんなに予習や授業が辛くても、日々の授業をきちんと吸収することを何よりも優先するあたり、

あ、わたしがここでやりたいことは異文化体験とかよりも政治学とアカデミックな英語の勉強なんやな〜

と気づき、そこから今の生活スタイルに迷いがなくなりました。

 

(まあ目標が明確になったところで、その目標達成のために必要なことをきちんと遂行できるかというのはまた別問題なんですけどね…。)

勉強しててつらかったこと

そんな勉強勉強の毎日でつらかったこと。

まあ英語よね……。

わたしはこれまで海外に住んだことがなく、中高6年間私立女子校→東大というバリバリドメスティックな教育を受けて来たので、アメリカ人の学生と一緒に授業を受けて、ディスカッションをして、同じ基準で評価されて、というのは普通に大変でした。

 

最初の方は語彙が圧倒的に足りないからリーディングもアホかってくらい時間がかかるし、

ライティングは時間をかけてゴミを量産するみたいな感じだし、

ディスカッションはまず他の生徒の発言を理解するのに精一杯だし、その中から頑張って意見をひねり出して発言しても語彙が稚拙だから小学生が言ってるみたいだし、まずひねり出した意見が面白い意見であるわけがないんよな。

 

そしてこれをわかっていながら毎日続けなきゃいけないつらさ!!!そして英語はどれだけ勉強してもネイティヴには一生追いつかないことがわかっていても勉強し続けなきゃいけないつらさ!!!

「英語は大事ってわかってたし、将来英語が必要な仕事がしたいと思っていたのに、なんで今までずっと日本語の教育から抜け出そうとしなかったんだろう、自分の怠惰を一生引きずることになってバカみたい」とか考えてました。今から思うと「考えすぎ」の一言しかない。

最初の1ヶ月はそれでもわかりやすく英語力が向上したからよかったけど、そのあとの1ヶ月は完全に停滞期で、そしてそれが中間試験に重なり、精神的に本当にきつかったです。

誰かがわたしの英語を笑ったわけでもないし、GSI(授業をアシストする院生)は相談に行くと親身になって色々教えてくれる人たちばかりだったのですが、自分で自分を追い詰めて死んで、帰り道突然涙が出てきたこともありました。

 

ただ、ネイティヴの友達にガーッと愚痴って慰めてもらったり、授業で聞いた話に勇気付けられたり(これもいつかブログに書きたいです)、停滞期のあとまた英語力の向上が感じられるようになったり、中間が終わってストレスがだいぶ減ったりして、少しずつ自分を責める気持ちが減っていきました。今は元気なのでこれを見ているわたしの友達は心配しないでね!

 

ずっと日本で教育を受けてきた人が大学で英語圏に留学すると、英語力をコンプレックスに思う瞬間は絶対あると思うし、それにどう対処するかは個人の状況によって変わってくると思うけど、努力と思考を続ければコンプレックスを打開する道はいつか見つかります。

 

幸いなことに勉強や政治学自体は好きなので、英語以外に勉強でつらかったことはありません。次。

勉強してて面白いなと思ったこと

一番はバークレーのリベラルさ。

UCバークレーは影で「社会主義」と陰口を叩かれるほどリベラルであることで有名で、それは授業にも反映されてるな〜と思いました。

 

一番思ったのはAmerican Politics。授業の中で教授が、政治をネタにしたトークショーのビデオをよく使っていたのですが、そのビデオのほとんどがトランプや共和党員をネタにするものでした。

そのリベラルさのおかげで、わたしのような留学生は嫌な思いをしない(特にアジア人にとってバークレーはすごく住みやすいと思う。例えばアメリカに来てから人種差別を受けた経験が全くない)ですんでいるとは思うのですが、一方で教授が「トランプは笑っていいもの」という認識を前提として教材に使うのはリベラルに偏りすぎじゃないか?と思ったり。

他にもデモが暴動に発展する危険性があるとして右派活動家の演説が中止になったりと、右派・トランプ支持者を認めない、という雰囲気がある気がして、それはリベラルっていうのか?って思ったり。

 

この問題はバークレーに止まらない、リベラルが抱えるジレンマではありますが、バークレーにおいてはそれが色濃く出ているなと思いました。

 

もう1つ面白かったことは、留学でありがちな「異文化の衝突」みたいなことが授業ではあまりなかったことです。

ディスカッションとかで、「ええ〜〜こんな視点があったのか!」と驚くことがあまりなかった。あったとしてもそれはその人の頭がメッチャいいという話であって、文化の違いからくる考え方の違いに驚くということがほぼなかったです。

これはわたしの受けていた授業がポリサイだったこと、バークレーがリベラルであることが大きいと思いますが、プラスで「インテリは考え方がなんとなく似てくるんだろうな」とも思いました。ある程度共有された規範の中で論理を組み立てて考えを作っていく限り、行き着くゴールの幅は狭まっていくよなあと。

ただ、日常生活ではちょこちょこありました。一番驚いたのは、男女共用フロアなのにシャワーからバスタオル1枚で出てくる人たちが男女問わず結構いることです。最初見たときは正気か?って思ったけど、今はもう見過ぎて慣れた。

 

 

以上、勉強に関するまとめはこんな感じです。

冬休みのうちに、ここで書き忘れた勉強の話とか救急車で運ばれた話とか人間関係の話とかサンフランシスコに良い劇場がある話とか、全部書けたら良いなと思います。春学期が始まったらまた勉強ざんまいだからね!

唐突に終わったのは、今日ユニバーサルスタジオを歩き回って疲れたのと、明日はハリウッドを歩き回る予定があるからです。

もう寝ます!おやすみなさい!