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②【独学】国家公務員試験総合職・教養区分二次試験対策

前回の続き。

musicallyrics.hatenablog.com

コネクションを作ることの大切さ

二次は人と話す試験なので、公務員志望の友達とか、予備校とか、大学のグループを活用することを強くおすすめします。私は予備校には行きませんでしたが、大学に教養区分対策をするグループがあり、企画提案・政策討議・人物面接すべてにおいて合格者からフィードバックを得られる機会がありました。

大学の対策グループがなく、かつ予備校に行くお金をかけられない場合も、省庁の説明会や予備校の説明会(無料)に行ってそこにいる人に話しかけ、公務員志望の仲間を見つけて一緒に対策するという手もあります。

それも無理であれば、民間の就活を終えた友達や先輩に、企画提案で考えた政策や、人物面接で使う面接カードを見せて、疑問に思ったところを突っ込んでもらいましょう。政策討議は民間のグルディスとそんなに変わらないので、民間の就活やってる組のグルディス対策に混ぜてもらうといいと思います。

とにかく人と話し、突っ込んでもらうというプロセスを繰り返すことが大事です。

 

本題からちょっとずれますが、この2次の試験対策をしている時に、私は「大事な情報が大学内でしか回ってない。そりゃ東大生は有利だよね」と思ったんですよね。大学受験でも地方より東京の方が情報やより良い環境にアクセスしやすい問題がありますが、教養区分はその格差が100倍開いた感じだと思いました。

もちろん東大生は大学受験の時点で多くの科目を勉強しているので一次試験の時点で有利であり、だから結果的に教養の合格者は東大生が多いというのは絶対あると思うのですが、東大以外の大学に行っていて教養区分に受かる素質のある人でも、情報が入ってこないから対策で不利になる、というのが起こりうる現状を見逃すのは嫌だなと思いました。(予備校いけば解決はするけど誰でも予備校に行けるわけではないので)

なので、このブログで対策法を書いています。予備校に行かず、周りにも教養を受ける人があまりいない人に届けばいいなと思います。

勉強期間

一次の結果が出て、企画提案の資料ざっと読んだり関連する本を借りてきたりっていうのは割とすぐやったのですが、本ちゃんと読んだり政策を考えたりっていうのは10月の終わりくらいから始めました。なので対策期間はだいたい2週間くらいです。

詳しい対策は下に書きますが、一次とは違って面接だとかグループディスカッションとか、人と話す試験なので、1日10時間がっつり勉強するっていうのができなくて逆に不安でした。私は民間就活してないからやることなくて暇だったんだよな…。民間も並行してやっている人は忙しい時期だと思いますが、そうでない人はだいたい1日1〜2時間二次試験関連のことを(正しく)やっていれば大丈夫な気がします。もちろん個人差はあるけどね!!!1日何時間も勉強しなくても大丈夫だよってことです。

企画提案

事前準備

与えられた課題について具体的な政策を提案する試験。

事前に資料が提示されて、なんとなくここら辺の分野が出るよ〜というのがわかります。本番はこの資料にプラスでいくつか資料が提示され、課題文が与えられます。それらを読んで、最初に自分の政策を説明する論文を1200字くらいで書きます。その後面接官2人の前で自分の政策を5分で発表し、20分間の質疑応答を行うという流れ。

 

私たちの年は3つ資料が提示されたのですが、

  1. 文化政策
  2. 教師の働き方改革
  3. 教育再生

本番の課題は「日本文化の海外発信の施策を考えよ」でした。2と3は関係なかった。

だいたいみんな、事前に発表された資料を読んで課題を推測し、それに対応する政策をあらかじめいくつか考えて試験に望んでいます。私も、

  1. 文化政策→「日本の文化を振興する政策を考えなさい」
  2. 教師の働き方改革→「教員の労働時間を削減する政策を考えなさい」

というお題を設定して政策を考えていきました。教育再生に関しては、私も周囲の友人も誰も資料からお題が推測できなかったこと、ちょうど大学受験改革が炎上していて多分出ないだろうと踏んだことから政策は考えていきませんでした。

 

課題の推測の仕方としては、

・資料の見出しに出てくる言葉

・何に分量が多く割かれているか

に注目するといいのではと思います。

 

政策の考え方としては、よく言われることですが

政策目標…この政策を通じて何を実現したいのか?なぜ国がやる必要があるのか?

→現状分析

→課題…現状は目標と具体的にどうずれているか?問題点は何か?

→課題を解決する施策

→施策を実行した場合の弊害、その解決策

 という順番で考えると、論理的かつわかりやすいと思います。

べき論を軽視しない

私が個人的にやってよかったと思ったのは、企画提案でも政策討議でも、最初の「政策目標」を突き詰めて考えたところです。例えば、「文化政策の最終目標は?」って突然聞かれても、はっきり答えられなくないですか?

「文化を振興する」ことが目的かな?と思っても、

・そもそも文化とは何か?

・なぜ文化は振興する必要があるのか?

・なぜ国がやる必要があるのか?

・国が文化を振興するというのは逆に言えば検閲ではないのか?

とか考え始めると色々はてなが浮かびました。

単純に文化を振興して日本の経済を活性化〜とかでも間違いではないけど、でもその場合、日本に経済価値をもたらさない文化は廃れていいのか?という疑問が生まれるし、最終目標と呼ぶには次元が低いですよね。

そのはてなを放置せずに図書館に行き、本を読んだ結果文化政策の目的は、社会における多様な価値観を保持することで、市民の幸せを実現することである」という意見に行き着いたんですね。(まあ全ての政策の最終目標は「市民の幸せ」であるべきなんですが)これを意識した上で政策を考えるのは重要だなと思いました。

さらに、私は面接本番で「あなたにとってのこの政策の最終的な目標ってなんなんですかね?」ってドンピシャな質問を聞かれたので、用意しておいて損はないと思います。

論理はガチガチに固めて考えて、論文でちょっと緩める

家で考えていく政策の論理は、ガチガチに固めていきましょう。政策目標はこれで良いのか、課題は何か、施策はきちんと課題に適応しているか、なぜ国がやる必要があるのか、なぜ他の施策ではダメなのかなど。

論理を固める上でも、友達や先輩に突っ込んでもらうのは大事です。自分では気づかなかった論のほつれに気づくことができるので。

 

ただ、本番で書く論文に上記の論理の流れを全部書くスペースはありません。目安の字数はだいたい1200字ですが、試験前に家で書いてみたら私は2400字いきました。

そこで、本番で書く論文は、ある程度説明を省略します。政策目標全部抜くとかはダメですが、例えば「なぜこのターゲットを選んだのか」という点を書かないとかね。論理の流れの中の、「なぜ」の部分をところどころ抜くことで、プレゼンの時に面接官がそこを質問するよう誘導することができます。

例えば私の施策は海外の富裕層をターゲットにしたものだったのですが、「なぜ富裕層なのか?」という説明は書くスペースがなかったので論文から抜きました。で、やっぱりプレゼンで「なんでわざわざ富裕層に限定するんですか?」と聞かれました。

考えてもいなかったことを質問された時の対応も大事ですが、やっぱりすでに考えていたことを質問される方が内容のある回答ができます。とにかく準備の段階で考えた政策は論理をガチガチに固める。で、本番は緩める。と、質問は誘導しやすいんじゃないかな。

当日

当日はまず課題文と資料が与えられ、それらを用いながら2時間で課題文に対する自分の意見を書きます。そのあと昼休みがあり、待ち時間があったあと、プレゼンの準備をする部屋に連れていかれて、10分間で発表の準備をします。その後面接官のいる部屋に連れて行かれて、5分で発表→20分質問、という流れ。

問題用紙はプレゼン中も見ることができるので、論文を書く時に時間が余ったら余白にプレゼン用の内容まとめを図みたいにして書いておくといいでしょう。時間が余らなくても、10分間の準備時間でできるので大丈夫です。

政策討議

民間就活でいうグループディスカッション。当日課題と資料が与えられます。課題を解決する政策としてAかBかの選択肢が与えられるので、自分はAかBのどちらの政策を支持するか考え、自分の意見を説明するレジュメを20分で作成します。

そのあと5人のグループでディスカッションするという流れ。ディスカッションで何をしなければならないのかは特に決められていませんが、みんながだいたい賛成できる政策をいくつか考える(AとBの折衷案になることが多い)、というゴールになることが多いです。

 

レジュメは企画提案と同じく、

政策目標…この政策を通じて何を実現したいのか?なぜ国がやる必要があるのか?

→現状分析

→課題…現状は目標と具体的にどうずれているか?問題点は何か?

→課題を解決する施策としてAとBどちらが良いか

→施策を実行した場合の弊害、その解決策

という流れで書くとよいでしょう。

 

課題もディスカッションのメンバーも当日に発表されるため準備がしにくく、私も大学の対策会に1回参加したのと、2、3回友人たちと本番と同じ時間配分で練習したくらいでした。

ただ、一つ思ったのは、対策のしようがない分、これまで(建設的な)議論をしてきた経験がある人はかなり有利だなということ。サークルやゼミで、何についてであっても議論する機会が多いなら特に対策は必要ないと思いますが、少人数で議論したことがほぼない!という人は練習した方がいいかもしれません。きちんとフィードバックがもらえる場(公務員試験の対策会、民間のグルディス対策会など)に何度か参加すると良いと思います。

 

時々、「(AかBか決める際に)少数派だと思われる方に属して自分の意見を言うチャンスを確保する」みたいなテクニックを色々言う人がいますが、私個人としては普通に自分が賛成だと思う選択肢を選び、議論中相手の意見が正当だと思ったら賛成すればいいと思います。まあ自分がそういう戦略を取った方がやりやすいならやればいいと思うけど。 

 

あと、国家公務員試験のグルディスでは、ファシリテーター(≒司会)が1人誕生することが多いです。必ずいなきゃいけない訳ではないのですが、だいたい空気を読んで最初に発言した人がファシリになります。

ただ、ファシリはマジで経験が出るので自信がないならやめた方がいいです。あと自分の意見言いたい人もやめた方がいいでしょう。(ファシリが自分の意見をガンガン言ったり、他の人に反論したりすると議論の流れを追う人がいなくなってしまい今何を話しているのかわからなくなることが多い)。 

人物面接

事前準備

事前に記入した面接カードを最初に提出し、その内容を元に面接官から質問されます。

面接カードは人によって書く内容が千差万別なのでやり方とかは特にないと思う。当たり前ですが、一つ一つの質問に対応する経験の中で、聞いてほしい経験を特に

「何をいつなぜ行ったか」「その経験から何を学んだか」

を書くといいのではと思いました。3行しか書けないので全てを網羅するのは無理ですが、企画提案と同じく論理は家で固めつつ、実際に書く内容は所々省略すると質問を誘導しやすいのではないかと思います。

あと、志望動機に関しては、私はまず「国家公務員を」志望する動機を書き、最後の1行で自分の関わりたい分野に少し触れました。志望省庁に触れるか否かはどっちでもいいと思いますが、そもそも「国家公務員」になぜなりたいのか、というのは絶対書いておく、書かないにしても聞かれたら答えられるようにしたほうがいいです。

 

あと、その面接カードを友達や先輩に見せて実際に質問してもらったり、面接カードで直すべきところを指摘してもらうのは絶対やったほうがいいです。

実際に私は、「自分の意見をはっきり言える」系のエピソードを面接カードに入れるか、それともそのスペースを他に使うか悩んでいたのですが、友達に相談したら「あなたは見た目と話し方からしていかにも自分の意見をはっきり言いそうだから、わざわざ面接カードに書く必要はない」と言われたので省きましたww言われてみれば納得でしたが、自分では気づかなかったのですごくありがたかったです。

 

本番どんな質問がされるかというのも人によって違いますが、私は面接カードに書いた一つ一つの質問について

「その経験において何か困難はあったか、それをどう克服したか」

を聞かれました。この困難をどう克服したか系質問は最近の流行りっぽいから考えておくとよいかも。

印象的だったのは、オンラインメディアをやっている話をしたら

「読者から批判されることもあると思うがそれはどう対処するか」

と聞かれたことです。官僚批判にどう対処しそうか見ているのかな〜と思いました。