ラーメンとミュージカル

好きなこと書く

ボーイズクラブを拒否するKacey Musgraves「Good Ol’ Boys Club」

この曲は私の応援歌なのですが、和訳がネット上に存在しないことに気づいたのでざっと訳して上げます。

I don't need a membership to validate

The hard work I've put in and the dues I've paid

Never been too good at just goin' along

I guess I've always kinda been for the underdog

自分の仕事を証明するのに

会員証はいらない

「うまくやる」のはそんなに得意じゃなくて

どっちかといえば負け組にいる方が好きなんだと思う

 

Favors for friends will get you in and get you far

Shouldn't be about who it is you know

But about how good you are

お友達同士の融通で仲良しグループを作ったり上に行ったり

大事なのは誰を知ってるかじゃなくて

自分が何ができるかじゃないの?

 

Don't wanna be part of the good ol' boys club

Cigars and handshakes, appreciate you, but no, thanks

Another gear in a big machine don't sound like fun to me

Don't wanna be part of the good ol' boys club

古き良きボーイズクラブには入りたくない

葉巻に握手、申し出はありがたいけどいらない

私まで機械の歯車になるのは楽しそうじゃないから

古き良きボーイズクラブには入りたくない

 

There's a million ways to dream and that's just fine

Oh, but I ain't losin' any sleep at night

And if I end up goin' down in flames

Well, at least I know I did it my own way

夢の見方は色々あるから勝手にすればいい

でも私は今日絶対に朝まで付き合ったりしないから

最終的に炎上して落ちていくとしても

少なくとも自分のやり方でできたんだからそれでいい

 

Hey, hey, ey, ey

 

Don't wanna be part of the good ol' boys club

Cigars and handshakes, appreciate you, but no, thanks

Another gear in a big machine don't sound like fun to me

I don't wanna be part of the good ol' boys club

古き良きボーイズクラブには入りたくない

煙草に握手、申し出はありがたいけどいらない

私まで機械の歯車になるのは楽しそうじゃないから

古き良きボーイズクラブには入りたくない

 

Favors for friends will get you in and they'll get you far

But when did it become about who you know

And not about how good you are?

お友達同士の融通で仲良しグループを作ったり上に行ったり

大事なのは誰を知ってるかじゃなくて

自分が何ができるかじゃないの?

 

Don't wanna be part of the good ol' boys club

Cigars and handshakes, appreciate you, but no, thanks

Another gear in a big machine don't sound like fun to me

I don't wanna be part of the good ol' boys club

I don't wanna be part of your good ol' boys club

古き良きボーイズクラブには入りたくない

煙草に握手、申し出はありがたいけどいらない

私まで機械の歯車になるのは楽しそうじゃないから

古き良きボーイズクラブには入りたくない

古き良きボーイズクラブには入りたくない

「Good ol' boys」とはWeblioの辞書によると「気さくで陽気な態度、保守的または偏狭な態度、強い仲間意識と彼の仲間集団への忠誠を持つ白人男性の南部人」と説明されています。

別に白人男性の南部人には限らないので、この曲でのgood ol' boys clubとは「保守的または偏狭な態度、強い仲間意識とお互いへの忠誠心を持つ男性たちの仲間集団」って感じかな。最近ホモソーシャルという言葉が日本でも広まってきましたが、これに近いと思います。

大体の社会でこういう集団が権力の中心にはいるわけだが、それを「Another gear in a big machine」とサクッと切り捨てるのが気持ちいい。なんだかんだ言いつつ規範に逆らうのは難しいが、Kaceyの穏やかだけどどこか皮肉な歌声が戦う余裕を与えてくれる気がします。

面白かった中華ドラマ感想まとめ

鳳凰の飛翔(天盛长歌)

これ私の中で永遠に1位な気がする…感想はこちらで書きました↓

musicallyrics.hatenablog.com

琅琊榜

麒麟の才子を得た者が天下を得る”という情報を聞きつけた皇太子と第五皇子は、麒麟の才子=江左盟(こうさめい)の宗主・梅長蘇の獲得に乗り出す。しかし彼の正体は、12年前に後継者争いが原因で壊滅させられた、赤焔軍の生き残りの林殊だった!! そんな梅長蘇=林殊は、いいなずけだった穆霓凰と再会。猛毒により、以前とは違う容貌の彼に、林殊の面影を感じた霓凰は…。

(引用:https://tsutaya.tsite.jp/item/movie/PTA0000QEXH9

おすすめ中国ドラマ一覧みたいなやつで絶対出てくる琅琊榜。友達に勧められてU-NEXTで完走した結果、人気の理由にものすごく納得しました。全54話。

 

色々魅力はあるんだけど、一番印象に残るのはストーリーの無駄のなさ!

話数が多い中国ドラマは「途中でダレる」があるあるらしく、確かに鳳凰の飛翔も最後の方このエピソードなんのために入れたんみたいなものがあったが、琅琊榜は全54話、一切ダレません。54話ずっと面白い。すごい。

私は頭を使うような権謀術数の話がだ〜〜〜〜い好きなので、「皇帝になる可能性ほぼ0の皇子を、主人公が権謀術数を用いて皇帝まで押し上げる!」でどんな策略を用いるのかっていうのだけでワクワクできるし、全キャラクターの人格の書き込みがしっかりしているので、彼らの行動の背景が納得できるのも良かったです。

策略っていうのは大体この人物がこう行動しなかったらそもそも成立しないよねみたいな部分によって構成されると思うけど、琅琊榜ではなぜその人物がその行動に至るのかの説明が、毎回直接的であり間接的でありきちんとなされてるんですよね。

「いや、ご都合主義〜」みたいに思うことが一回もないのが地味にスゴイ。完成度が高い。

 

あと最後まで観て思ったけど、完全にブロマンスドラマでした。

一応霓凰郡主というカッコイイ女性が主人公の恋相手だけど、最初こそ彼女が物語の中心になるものの途中から僻地に飛ばされ、影が薄くなります。

入れ替わりに靖王と主人公の過去から現在まで続く絆がフォーカスされ、ここらへんはもう完全にブロマンスでした。霓凰郡主は最後にまた存在感を発揮するし、最後までお互いを大事に思っているのは伝わってくるけど、それでも靖王と主人公の関係の方がアツさがすごい。

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http://tv.cntv.cn/video/VSET10/286226830a2d405981c6adcb3f074a54

これ日本のドラマだったら友達が死ぬほどツイートしてそうだなと思っていたら、

Q:琅琊榜ってどんな話?
A:ヒロイン要素しかない男二人の奥ゆかしい百合物語。決して薔薇ではない。

 (引用:https://kokontouzai.org/nirvana-in-fire/#toc14 

同じこと思ってる人いた🤣 同じブログから、

また、「なんでヒロインが途中から消えるのか」というインタビューで胡歌は品を作りながら言ってるもの。「僕がヒロインだから」って。 

ってあって、マジで言ったん?!って思ってインタビュー探したら本当に言ってました。

f:id:musicallyrics:20200801160336p:plain

https://www.youtube.com/watch?v=NWbOHfLzD_o

キャワイイ。 胡歌はなんか地味にボディブローみたいに効いてくる美しさがある…。*1

 

本当に本当に面白かった!!ちょっと切ない部分もあるけど、悲劇ではないのでトラウマにもならないと思います!(大事)

瓔珞~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~(延禧攻略)

女官として後宮に入り繍坊で働き始めた魏瓔珞は、持ち前の正義感と頭脳で数々の試練を乗り越えていく一方、ある目的のために密かに行動する。それは後宮で謎の死を遂げた姉の死の真相を突き止めることであった…。

彼女は富察皇后の弟・傅恒を犯人と疑い近づくが、意に反して彼に惹かれていく。同時に、思いがけず乾隆帝からも好意を寄せられ、愛憎渦巻く宮廷で波乱の人生を歩むことに…。

妃や女官たちの陰謀に晒されながらも、常にそれを上回る知略で相手を追い詰めていく瓔珞の大逆転劇に胸がすく!

(引用:https://kandera.jp/sp/eiraku/

これもほんとにほんとに面白かった!!!!!

 

後宮モノは他にもいくつか観たけど、なんかだいたい、主人公は最初は優しく皇帝への愛が深く、他の妃たちのいじめにも耐えることが多かったのですよ。美しく慎み深く、ジェンダー規範の申し子みたいな。天真爛漫で意表をつく行動しちゃう系主人公でも、それは男が可愛いと思う範囲であり、皇帝の脅威にはならないから愛される。日本の時代劇はほぼ観たことないからわかんないけど、皇帝を将軍とかに置き換えたら似たようなもんなのかな?

まあ時代劇なので当時はそういう価値観だろうけど、その価値観を批判なしに受け入れてキャラクター造形がなされてると、結局全員一緒やんみたいになって入り込めなかったんですね私は。

 

が!!!このドラマの主人公・璎珞は違った。最初からメチャクチャやり返します。

急須で自分の布団に水をかけられたらバケツで水を汲んできて布団と相手にぶっかける、頬を叩かれたらその場で叩き返す。

第2話で璎珞が言い放つ「私は生来気性が荒く、怒らせると怖いの」という台詞が彼女の気質を端的に表している。ドラマ内で璎珞を踏みにじったら皇帝だろうと徹底的にやり返すんだろうなという気概がある。

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こんな予告編見たことないんよ。


さらに、このドラマの面白いのが、璎珞がこのような気質になった理由が特に描かれていないところなんですよね。

前述の通り、私が観た他の宮廷劇だと、女の主人公は割とはじめ慎しみ深くやられてもすぐにはやり返さないことが多かったんですね。最終的に皇帝の脅威になるにしても、「周囲からの攻撃が続いたことによって」その気質がだんだん変化する様子が描かれます。最初から性格がやばい悪役でさえも、死ぬ直前に「孤独だった」「愛に飢えていた」とか、彼女たちがそのような気質になった不幸な理由が必ずと言っていいほど描かれていました。

これが琅琊榜のような、男性同士の権力争いの話になると、陥れられてやり返そうと、「彼をやられたらやり返す性格にした不幸な背景」は描かれないと思うんだよな。男が戦いやり返すのは当たり前なので。

私は女だけど、殴られたら殴り返す。それは自分の尊厳を守るために必要なことであって、別に「不幸な背景」もクソもねえけど、といつも思っていました。

だから璎珞を見て、キターーー!!!!!!!って思った。

 

また、璎珞は皇后に引き立てられ、お気に入りの女官として重用されます。皇帝が激おこの時も皇后は璎珞をかばうのだが、皇帝になぜそこまでかばうのかと聞かれこう答えます。

璎珞は私の希望です。

何事も夫を一番と考え、夫を敬う。夫の考えを自分の考えとする。それが世の女子の徳なら、国の母である私が守るのは当然のこと。

でも陛下、私は、私自身ではなくなりました。嫁いだあの日から、富察容音は消えたのです。私は女子の徳に縛られております。

陛下、私は、自分を捨てたことで、今の私になりました。だから璎珞を守るのは、無くした私を守るのと同じ。

皇后は完璧な人物として描かれていて、誰のことも陥れず、皇帝を愛し、妃嬪を守り、人々に慕われ愛されています。

しかしそのような完璧な人物が、女の徳を完璧に実行した故に、女の徳に押しつぶされてしまう。

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メッッチャ美しい皇后

一方、女の徳ガン無視の璎珞の行動で特にすごいのが、皇帝が璎珞に対して後宮の女性は視野が狭い…と嘆くシーンでの璎珞の返答。

女子は生まれた時より家という籠の中で育ちます。嫁いだとしても別の籠に移っただけのこと。籠の中しか知らぬ高麗鶯が、鷹のように広い視野を持てましょうか。お忘れなく。その籠を作ったのは男です。 

これはマジで完全に社会批判であり、その社会を作り上げておきながら責任を女性に負わせる皇帝への批判ですよね。案の定皇帝には放肆!と怒鳴られるわけですが。

 

そんな璎珞を皇后は妬むのではなく、自身の希望として愛し守り抜くのも、物語のメッセージが徹底していて好きです。

 

このドラマは新しい、スカッとする、現代的、と評されることが多いけれども、時代劇にありがちなミソジニーを見つめ直したキャラクター造形が、そのような評価を支えているように思います。

范冰冰主演の「武則天」が、唯一の女性の皇帝とうたってるから、さぞかし野心に燃えてて面白い女性を描くだろうと思ったけど真逆でがっかりした後にこのドラマを観たので、スカッとして楽しかったなあ。*2

ただ一方で、このドラマで展開されるジェンダー批判を現代にも通じるものとして解釈するか否かは見ている側に完全に委ねられているので、「昔はやばかったけど今は良い時代」で終わらせられる危険性はある。

中国のジェンダーの専門家による批評が読みたい!と思うドラマでした。

 

1話が無料かつ日本語字幕でYouTubeでみれる!

www.youtube.com

沉默的真相

全12話の刑事ドラマ。

ちょっと前まで爱奇艺がYouTubeアカウントで全話配信してました。今はYouTubeに2話までしかないけど、爱奇艺の海外向けサイトor海外向けアプリに飛べば中国語+英語字幕付きで全部見られます。2020年11月時点だと全話無料だと思うけど、時間経つと有料になるかも。

www.youtube.com

一見単純な自殺事件には、巨大な秘密が隠されていた。この秘密を暴くために、ある人々は7年を費やし、数え切れないほどの代償を払い、さらには自分の命を危険にさらした ...... かつて有望な検察官であった江阳は、賄賂と汚職を受けて刑務所で3年間服役した後、スーツケースの中でうずくまっている死体として、世間の目に再浮上する。 彼の遺体を運んできたのは、地元で有名な弁護士の张超だった。 事件は人々の注目を集め、刑事の严良が事件を担当することになる。 张超は犯行を一度自白するが、判決を受ける場で突然自白を撤回、アリバイを明らかにして事件は膠着状態に陥る。

(引用:https://movie.douban.com/subject/33447642/

ものすごく完成度の高いドラマだなと思いました。 3つの時系列で話が進んでいくんですが、見せ方がうまいので混乱しない。私が観た他の刑事物(日本でもアメリカでも)だと、現在の捜査に尺が割かれることが多かった気がするけど、このドラマは過去の語りに多く尺を割いているので、事件に関わる人々の行動の動機が納得がいくし、感情移入するからつらい。

事件自体もひどいのだが、その事件が起きた後、周りの人間がどのようにその事件にどう折り合いをつけるのか、折り合いがつけられない時どう変わるのか、を描いている。ぶっちゃけアイディア自体はこれだけ聞くと映画でもドラマでもよくある気はするが、脚本の緻密さと演技の上手さで完成度高く成立している。

あと、登場人物が食べてるご飯が美味しそうすぎる。火鍋を囲む絵がちょくちょく出てくるんだけど、鍋の中めっちゃ見ちゃう。

ミステリーとか刑事ドラマ好きな人絶対好きです。隐秘的角落(原作者が同じで、同じく大ヒットしたミステリードラマ。私は今観てるところ)がWOWWOWで配信決定したそうなので、これも日本でもすぐ配信される気がするな!

バーニング・アイス(无证之罪)

息も凍りそうな冬のある日。中国東北地方の架空の大都市・哈松で、地元の運送会社社長、孫紅運の死体が見つかる。遺体は雪だるまにくくりつけられており、そこには警察をあざ笑うかのように「私を捕まえてください」という貼り紙があった。警察はその手口から、3年前から市内で起きている未解決の“雪だるま連続殺人事件”と断定。刑事・林奇をリーダーとする捜査チームを立ち上げ、あるミスから交番勤務となっていた刑事の厳良もそこに合流する。一方、法律事務所で働く青年・郭羽は、初恋の人・朱慧茹が孫紅運の愛人であり、事件の重要参考人であると知る。郭羽は朱慧如の助けになろうと奔走するが、二人は思わぬ事件を引き起こしてしまう。その時、パニックに陥る彼らの前に謎めいた男・駱聞が現れ、事件の隠ぺいを提案してくる。果たして彼の正体は…?

(引用:https://www.welovek.jp/burningice/) 

U-NEXTで観ました。全12話!

このドラマと、沉默的真相、隐秘的角落は原作者が同じらしくて、ドラマ版も構成が結構似ている。最初にもう犯人とかはわかっていて、その事実を知った人々がどう動くか、みたいなのに焦点が当てられています。

このドラマも、半分くらいで黒幕まで全部明らかになるし、主人公・严良の推理は最初から全部当たってるんだけど、彼らを逮捕するための証拠がない。それでも事件に関連する人物を追っていくうちにまた新しい展開があって…という流れ。沉默的真相、隐秘的角落と比べて警察目線のシーンが多いので、ミステリー・サスペンス要素は強いかな。

 

私は3つの中ではこの无证之罪が一番好きですね。社会問題を描くという点では沉默的真相の方が尺を割いていると思うけど、私は単純に、秦昊演じる严良が好きすぎました。

ぶっちゃけキャラ設定としては、自由奔放で周りを困らせるけど実は人情に厚い刑事っていうまあ使い古されてきた感じなんだけど、この設定に秦昊の外見と演技がすご〜〜〜いハマってた。私が秦昊の顔が好きなだけかもしれないけど・・・(え・・・秦昊かっこよすぎん・・・?と思って、彼が出ててしかも陈坤が主演の映画「火锅英雄」を観たんだけど、こっちはクソつまんなかったw)

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https://www.youtube.com/watch?v=2-Znpv-dReE

あと、これは沉默的真相の時も思ったけど、チームのボスが女性なのだが、変に「有能・デキる女上司」的なステレオタイプを押し付けられてないのがよかったな。同じ原作者・製作チームで作った、女性が主人公のドラマを観たいなと思いました。

あとやっぱ飯がうまそうすぎる。朱慧茹の兄が料理屋を開いているんだけど、そこでのシーンはいちいちそこで出てる料理とか壁にかけられたメニューに目がいって集中できんかった。旅行してえ〜

霊剣山(从前有座灵剑山)

9つの国々が深刻な危機に陥った幻想の世界。青年はある組織に加入し、短気で口の悪い師匠のもとで修行を始める。無限の可能性を秘めた彼の物語が、幕を開ける。

(引用:https://www.netflix.com/title/81208888

全37話。Netflixで観ました。

 

他のドラマと一味違う感じで面白かった!

ジャンプ漫画にありそうな、漫画をそのまんま現実世界に持ってきたような。と思ってたら、元はウェブ小説で先にアニメ化されて、その後このドラマが来たらしい。

 

主人公の王陆がもう本当〜〜〜に「主人公!!」っていう顔なんよね!!

延禧攻略でみんな大好きイケメン富察傅恒を演じた许凯だった。全然キャラ違うけど。

二次元から三次元に飛び込んできたみたいな、丸くて大きい瞳、シュッと整った眉毛、ニヤッと片方だけ上がる口元。トレースしたらそのまんまアニメに使えそう。

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https://www.youtube.com/watch?v=2Oy6c03Odjk

師匠の王舞はどこからどう見ても美女だけど、すぐ金儲けに走ったりズルをしたり人を小馬鹿にしたりする設定で美しい顔を歪めまくる演技が楽しい。

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https://www.youtube.com/watch?v=2Oy6c03Odjk

あと、琉璃仙役の郭晓婷が超〜〜〜〜〜かわいい!!!若曦にも出てたけど、こっちのドラマの方が髪型と衣装が似合っててびっくりするかわいさ。

f:id:musicallyrics:20200926212159p:plain

https://www.youtube.com/watch?v=2Oy6c03Odjk&t=2411s

話の進め方が適当なとこも多々あったけど(特に最後)、登場人物とビジュアルが好きだと多少のプロットの穴はどうでもよくなりますね。セリフとかギャグとか衣装、CG、セットが細部まで綺麗だし、武侠ものや仙人ものを詰め込んだ中国文化全開仕立てが新鮮でよかったです。

宮廷の諍い女(甄嬛伝)

清朝宮廷ドラマの最高傑作。18世紀の清を舞台に、閉ざされた後宮の中で過酷な仕打ちに立ち向かい、愛を失いながらも権力を手に入れていく1人の女性・甄嬛(しんけい)の姿を描く。

(引用:https://www.ch-ginga.jp/feature/isakaime/ 

全76話。U-NEXTにあります。

中国ドラマにハマり始めた時からいろんなブログでお勧めされているのを見て、結構楽しみにしてたんですが。10話くらいで挫折…。野心に燃える人間が最初あんま出てこなくて、登場人物がいまいち好きになれなかったんですよね。人が好きじゃないと78話観るのはきつい…

 

ということで途中で挫折したんですが、なんとNetflixにダイジェスト版がありました!!!

90分×6話で、物語の本当に大事なところだけかき集めた感じ。登場人物は頭に入っててどうなるかは知りたいけど80話観る元気はない私にはぴったりでした。このダイジェスト版、2020年8月31日に公開終了しちゃったんだけど、存在に気づいたのがちょうどその日の夜で、そこから全速力で6時間くらいぶっ続けて観て、最後の方は間に合わなかったのでU-NEXTで観直した🤣(勉強しろ)

 

前評判通りえぐかった!!!

妃たちだけでなく皇帝もダントツでえぐい。後宮ドラマは毒殺するとか残虐な刑を与えるとかはあるあるだけど、このドラマは出てくる罠とか黒幕とか殺し方に残酷なオリジナリティを発揮してくる。心臓がヒュッてなる、もはや夏の暑い日に観たいホラー。

 

個人的に、主人公が皇帝を愛してる間はそんな面白くなかったんだけど、皇帝に絶望し、もう一人の男とも引き裂かれて完全に後宮に対する反撃に転ずるところからが、ゾクゾクするほど面白かった。淡々と自分や愛する人たちを陥れた人々を始末していきます。化粧も変わるし目がもう違うよね。

目が変わってからのエピソードは、面白すぎたので本編でじっくり観ました。

中国に興味を持つ前から「宮廷の諍い女」というタイトルだけは聞いたことがあったんだけど、人気ドラマにはそれなりの理由があるんだなあと今更納得しました。

 

妖猫伝(空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎)

これは全然ドラマじゃなくて映画なんですが、私は結構好きだった割に評価されてないので擁護しておきたい。

1200年以上前、日本から遣唐使として中国・唐へ渡った若き天才僧侶・空海。 あるきっかけで知り合った白楽天という詩人との交流を深めていく中、世界最大の都・長安は、権力者が次々と奇妙な死を遂げるという、王朝を震撼させる怪事件に見舞われる。空海は、白楽天とともに一連の事件を探るうちに、約50年前に同じく唐に渡ったもう一人の日本人・阿倍仲麻呂の存在を知る。 仲麻呂が仕えた玄宗皇帝の時代、そこには国中を狂わせた絶世の美女、楊貴妃がいた。極楽の宴、妖猫の呪い、楊貴妃の真実、歴史を揺るがす巨大な「謎」――。 楊貴妃の命を案じた阿倍仲麻呂は何を知っていたのか…? 海を渡った若き天才僧侶・空海と、中国が生んだ稀代の詩人・白楽天。二人はやがて、歴史に隠された哀しき運命と対峙することとなる…。

(引用:https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B07GNV1N3G/ref=atv_dp_share_cu_r

日本で低評価の理由の8割くらいが邦題に起因してて、「空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎」って言うと空海がメインの話かと思うけど、これは原題の「妖猫伝」が正しい。猫。猫が鍵なんですわ。空海は探偵みたいな役割で、彼の人間性はほとんど掘り下げられていないので、そこに期待してはならぬ。あと、日本人作家?の夢枕獏の小説をベースにしてると言いつつ全然原作に沿ってないらしいし、時代考証はあってないようなものなのでそこにも期待してはいけない。

 

この映画は「楊貴妃の死の謎を解く」映画だと思って観るといいと思います。前半は猫が暴れまわって結構意味不明だけど、中盤くらいからなぜ猫が暴れ回るのか?という背景が明らかになると、楊貴妃玄宗楊貴妃に惚れた男たちの話、そして楊貴妃が亡くなった真相の話になるんです。

私は、この映画における楊貴妃の空虚さが面白いなと思いました。みんなが知る絶世の美女・楊貴妃をマジモンの絶世の美女・张榕容が演じ、登場する男性はみんな楊貴妃に惹かれるけど、楊貴妃の生い立ちどころかそれぞれの男性たちへの思いさえほとんど描かれていなくてまったくわからない。

楊貴妃を慕う男性たちも、楊貴妃に惹かれているのではなく、楊貴妃が発した言葉をいいように解釈して自分の理想を投影しているように見えました。

そしてそれを真実の愛!と言って心酔する白居易

陈凯歌がこれを意図して製作したのかはわからないけど、私はこのみんな楊貴妃を見つめているようで自分だけを覗き込んでいる感じが好きでした。恋愛あるある、恋愛を題材にした創作物あるある。

唯一、主人公の空海が常に感情が全然表面に出ず「無」「微笑」って感じで、楊貴妃自身にもそんなに興味がなさげだが、楊貴妃の苦しみがわかった瞬間だけ取り乱すのが一番楊貴妃自身を見てるんじゃないかと思ったなあ。楊貴妃空海が直接出会ったらどんな会話を交わすのか興味あります。

www.youtube.com

*1:このインタビューで役者の一人が「琅琊榜は男の物語だからヒロインが途中で消える。男は国家とか兄弟の絆を大切にする。女が大事にするのは…愛とか?笑」とか言ってるのがクソ萎えて中指を立てたけど、実際ドラマの中では霓凰郡主もそこまでミソジニーを被ってはいないと思います。というか、彼女は雲南の守備を任されるというゴリゴリの国家権力なんよな。国家権力どうこうを置いても人格もきちんと考えられていて、他の女性キャラクターたちも男に比べて数は少ないけど魅力ある女性たちなので、私みたいにミソジニーが分かり易すぎると死ねや!!!!!となる人も安心して観れると思います。

*2:歴史上活躍した女性の例に漏れず、武則天も「己の野心のために王朝を滅ぼした悪の女」というミソジニーバリバリの評価を受けてきたわけですが、このドラマはその評価を書き換えたいのか、「(己の野心ではなく)皇帝と国への愛のため、(仕方なく)権力を手にした」女として描かれています。「己の野心のために王朝を滅ぼした悪の女」という従来の評価は「男が野心を持つのは良いけど女が持つのはダメ、なぜなら女が野心を持つと男を脅かすから」という男尊女卑観念が元にあるが、新しい武則天像を描こうとしたこのドラマも(武則天個人の知性や慈愛は肯定的に描きつつも)彼女の野心をこれでもかと否定することで、結局この観念に乗っ取ってるんよね。

最近観て良かった映画・ドラマ5本(鳳凰の飛翔、ハミルトンなど)

天盛長歌鳳凰の飛翔)

まーーーじーーーーでーーーーどハマりした。70話を2週間くらいで観たのだが、就活があったのでちょっと妥協したところもあり、本当は24時間ぶっ放しで観たかった…。

まあゆうて暇な日は一日10話とか観てたんだけど、ずっと家にいてドラマ観てるor寝るみたいな感じだったので、だんだん物語と現実が反転してきて、物語こそがリアルであり、自分の現実が非現実みたいになってヤバかった。

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まず、ストーリーがめちゃくちゃ面白い。

最初は、主人公の一人・宁弈(第六皇子)たちに色々と企みがあるっぽくて、それを追って行くだけでワクワクする。70話ある中でだいたい3〜4つくらい大きな話があって、最初の話は特に宁弈が練り上げた計画の全貌が徐々に視聴者に明かされる感じなので、なんかミステリーみたいだなと思った。

 

これに加えて重要なのが、キャラクターがメッッッチャ魅力的!!!だからこそ70話まで一気に観れた。

主人公の一人・风知微はものすごく頭が良くかつ信念を持って動くから、敵も作るけどそれ以上に味方をどんどん巻き込んでいくパワーがある。最初は特に知性全開で周りを言いくるめまくるんだけど、周りも結局「おもしれー奴」となってるのがウケる。一方、色々な困難にぶち当たるにつれて人格が変化していくのが嬉しくもあり悲しくもある。

途中で男装する話が続くのだが、骨格がすげ〜〜きれいのがわかってすごく似合う!女の姿に戻ってもハッと息を飲む美しさで、美に拍手・・・・

 
 
 
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また、これは必ずしもメインストーリーではないのだが、知微はシスターフッドの権化みたいな感じで、周りに現れる女性たちを次々と味方につけていくのが面白かった。知微は信念があり知性があり、かつ、周りが言う「女のくせに」という言説を決して内面化しない強さがある。女性たちもそれぞれの目的があって知微の周りに現れるのだが、最終的に人間的に強く結びつくのが良い。時代劇でシスターフッドが描かれるとは思っていなかったのでちょっとびっくりした。

男性キャラも負けず劣らずというか、どんなにちょい役でも個性が透けて見えるのでいつのまにか愛着が湧いてしまうのがすごい。敵でさえちょっと人間味があるのがいいですね。宁弈や知微以外のシーンも楽しんで観れる。あとさすがに70話あるので、物語が進行するとともに彼らの人格も少しずつ変わっていくのが時を一緒にしているようでエモい。

 

で。陈坤(宁弈役の俳優)ですが。

 
 
 
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いや、は???なにこの綺麗な顔???

このドラマでは基本的に前髪をあげているので、顔の造形がわかりやすい最高。表情筋も見えやすい。かっこいいのはもちろんなんだけど、表情の動かし方が個人的にツボでした。片眉上げるやつ超セクシーだよね〜〜〜写真より動いてる時の方がかっこいい。

とにかく彼の顔が本当に芸術作品なのでずっっっと凝視してるんだけど、ヒロインの知微の前だと他のキャラの前で見せる時より表情の種類がすごく増えるんですよね。だから知微と二人のシーンが毎回楽しいね。ザ・恋愛シーンはほとんどなく、恋愛感情だけじゃなくてお互いへの不信感、翻って信頼関係など、色々な感情が育っていく様子を描いてると思うんだけど、それでもこの表情で愛しさが伝わってくるのがマジ・・・・役者すご・・・・・・・と思いました。

 

本当に毎日毎日鳳凰の飛翔のことを考えてたけど、周りで観てる人もほぼいないし感情のぶつけ先がなくて、結局「日々の中国語学習の集中力を上げる」方向に落ち着いた(???) 

腐女子のつづいさん」で、海外アーティストの推しにいつかばったり会った時のために英語を勉強しているお姉さんが出てきたが、わたしも中国語版でそんな感じになった…本当に会った時を夢見ているというよりも、なんかこのエネルギーをどこかにぶつけないと狂う気がして…

 

あまりに感情移入して観ていたので、また感情が動くのがしんどいのでしばらくはこのまま余韻を楽しむつもりなんだけど、ちょっと時間おいたらまた最初から観ようと思っている(マジでめっちゃ好き)。特にラストは解釈が分かれると思うので、私なりの解釈をちゃんと吐き出したい。気持ちが落ち着くまで陈坤の他のドラマをみる…。

Hamilton(ハミルトン)

トニー賞を総なめにし、開幕から5年経ってるのに未だチケットが取れないミュージカル『Hamilton』が、なんとディズニープラスで配信されている。

 

初めてニューヨークに行った年がちょうどハミルトンが開幕した年で、ものすごく話題になっているのは知っていたが、チケットが取れなかったので観れなかった。その後ニューヨークには2回行って、毎回ハミルトンのチケットを探したけど、毎回売り切れか500ドルとかのプレミアムしか残っていなくて観られなかったので、配信してくれて本当に本当に嬉しい!!!

『ハミルトン』は、ロン・チャーナウによる2004年の伝記『Alexander Hamilton 』を基に、アメリカ合衆国建国の父の一人アレクサンダー・ハミルトンの生涯をヒップホップ音楽で綴ったミュージカル作品。脚本・作曲・作詞・主演をリン=マニュエル・ミランダが務めている。ヒップホップ・ミュージック、コンテンポラリー・R&B、ポップ・ミュージック、ソウルミュージック、ショー・チューンを融合し、建国の父を含む歴史上実在の人物でさえも白人ではなく有色人種が配役されている。

(引用:Wikipedia

夢中で観たんだけど、泣いたーーー。結構泣いた。ハミルトンの生涯を2時間半で描くわけなので結構駆け足だが、ここはミュージカルの真骨頂という感じで盛り上がりポイントを歌とダンスで最高に盛り上げてくるので、内容は頭に入りつつ感情が揺さぶられる。

何よりやっぱり歌とダンスのクオリティが高すぎる。今までで観た舞台の中で一番完成度高いんじゃないか?と思うくらい。トニー賞でのパフォーマンスを観た時からやば・・・と思っていたが、2時間半これを観れるのは至福! 

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私も初めて知ったが、ハミルトンはカリブ海出身の孤児で、寄付金でアメリカで教育機会を得た苦労人だった。このミュージカルでは、「移民」で「孤児」というハミルトンの属性が何度も強調され、このような者でも建国の父として活躍できる!というザ・アメリカンドリームストーリーが描かれる。これを白人がやってたらぶっちゃけ、あ〜ハイハイ現状はどうですか?とか言いたくなると思う。

しかし「ハミルトン」は、ほぼ全員有色人種のキャストで、ヒップホップの音楽を使ってアメリカンドリームを「語り直す」のである。格差が広がる中で幻想と化してきたアメリカンドリームの価値の再確認、そして全ての人と言っておいて有色人種を除外してきた今までのアメリカンドリームへの異議申し立てが感じられる。

 

ヨークタウンの戦いのところで、ハミルトン(移民)とラファイエット(外国人)が、「Immigrants...We get the job done.」と言って観客が今日イチくらいフウ〜!!!と沸く場面が私はすごく好きだ。

ハミルトンがブロードウェイで開幕したのは2015年で、その1年後にはトランプが大統領に就任した。私が配信を観たちょうどその日、オンライン授業のみを受ける留学生へのビザの発給停止が発表された。副大統領のマイク・ペンスがハミルトンを観に来た時、舞台上で副大統領を演じた役者が、終演後にペンス含む観客に向けて即興で語りかけ、拍手喝采を浴びた。

“We, sir — we — are the diverse America who are alarmed and anxious that your new administration will not protect us, our planet, our children, our parents, or defend us and uphold our inalienable rights. We truly hope that this show has inspired you to uphold our American values and to work on behalf of all of us.”

(引用:‘Hamilton’ Had Some Unscripted Lines for Pence. Trump Wasn’t Happy. - The New York Times

いやでもよくペンスは観に来たよな。無茶苦茶なブーメラン。

このような時代背景の中で、ハミルトンのメッセージはむしろ強く響くと思うし、このメッセージに対する観客の反応も希望が持てる。

 

ディズニープラスは今のところまだ英語字幕しかなくて、私もアメリカの建国の歴史に詳しくないので知らない固有名詞が結構出てくる。まあ内容わかんなくても舞台観てるだけで楽しめるんだけど、より内容を深く理解したい方におすすめなのがこのnote↓

note.com

アメリカ史研究者がハミルトンの全曲(!!)を解説付きで和訳している。歌の行間で起きた戦いや、登場人物のバックグラウンドを、歌詞の合間に入れ込む形でわかりやすく解説してくれているので、noteをざっと読んでから舞台を観るとより楽しめる。 

花木蘭(ムーラン)

中国に戻って、これも陈坤が出てるんだけど、こっちも結構面白かった。鳳凰の飛翔の鬱展開のときに気晴らしとして観たらこちらもド鬱でテンション下がったけど。

video.unext.jp

武術を得意とする娘ムーランは、病弱な父に代わって従軍するため、男になりすまして戦地へと向かう。女であることが周囲に発覚しそうになったところを上官ウェンタイに助けられたムーランは、次第にウェンタイに惹かれるように。しかし戦争は激化の一途をたどり、仲間たちが次々と命を落としていく。そしてついに、ウェンタイが戦死したとの報せが届き……。

(引用:https://eiga.com/movie/79510/

ディズニーアニメのムーランとは全然違い、笑えるシーンほぼ0。恋愛要素もウッッッスイ。戦争の残酷さがこれでもかというくらい伝わってくる映画だ。私はこっちの方が好き。鬱だけどな。

 

主演の赵薇は、「レッドクリフ」でも男装して敵陣に乗り込む孫尚香を演じてるんだけど、何回見ても全く男に見えないのが気になる!ちなみにレッドクリフ趙雲を演じた胡軍も出演してて、「いやもうこれはもはやレッドクリフ」と思った。役柄は全然違うんだけど。 

 

ムーランにしかり鳳凰の飛翔にしかり、中国の作品って割と頻繁に女性が男装すると思うんだけど、なんでなんだろう?日本ではそこまで人気な筋ではないような。

女性戦士とか男装ってジェンダー観がすごく反映されやすい題材だと思うし、単純に「男装して戦う!けどちょっと失敗!結局素敵な男性に助けられて恋に落ちます!」みたいなミソジニーストーリーも見たことはある。

ただ一方で、女性が男性と互角どころかトップの成績を収めて出世街道爆進、女とバレてもまあゆーてなんとかなる、そしてヒーローはそんなヒロインが好きで愛に生きがち、ヒロインの方が現実的、みたいな典型的なミソジニーとは言えないストーリーもある(ムーランと鳳凰の飛翔はこれ)。

男装する女性戦士以外にも、現代中国のジェンダー観はまだよくわからないところが結構ある。まとまった研究書も出てるみたいなので勉強しようと思った。

AJ & The Queen

生きているだけでクソ案件が多い世の中だが、元気になりたいときいつもル・ポール主演のこの作品を観る。

深く愛していた彼氏(実はゲイ専門の詐欺師)に騙され、ほぼ無一文になったドラァグクイーン・ルビーと、薬物中毒で売春婦の母親を持ち児童養護施設から逃げ出してきた10歳のAJがアメリカ中のクラブを旅する、という設定。ついでに詐欺師とその仲間がルビーの生命を狙って追ってくるというおまけ付き。

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このドラマは全体的にコメディ調で観やすく、ル・ポールのショーも毎回あって最高なのだが、同時にネグレクトや薬物中毒など多様なテーマに触れている。内容自体は結構ハードなはずなんだけど、登場人物がだいたいみんな優しい。

 

私はこのドラマの女性の描き方が好きだ。このドラマで女性は、性の対象として描かれることはほとんどない。代わりに出てくるのはルビーたちドラァグクイーンが憧れ心の拠り所にする、強くて「ICONIC」なディーヴァたちだ。もちろんそのディーヴァたちは実際には性的に消費されたり、家父長制に虐げられたりしているのだが、ルビーが語るのは、そういった抑圧にくじけながらも、もがいて抵抗し、輝く女性の姿である。

 

性的に見られたり、品評することが必ずしも悪いとは思わないが、問題は、今の社会は、求めてない、嫌だと言っても「褒めてるんだからいいだろ」的なクソ非論理的な理由を論理的な顔して押し付けられることが当たり前なことだ。私の意思は聞く価値がないと見なされ、抗議しても「女らしくない」「そんな言い方だと誰も聞かない」とドヤ顔をされる。

AJ&クイーンの世界では、女性は常に意思があり、人間だ。私が惹かれるのはルビーと同じくICONICなディーヴァたちだが、彼女らのように世界に大きな影響を与える女性達の他にも、薬物依存に負けつつ必死に闘うAJの母のような様々な女性が、「社会が求める女性らしさ」のフィルターを通すことなく描かれる。人間として祝福されてる気分になる。

 

あとこのドラマを観て初めてドラァグ文化に触れて、そのあとル・ポールのドラァグレースも何シーズンか観たんだけど、なんて素晴らしいんだ・・・と感動しています。自分は表層のほんの一部に触れただけなんだけど。エッセイ読みたいな〜読むか。

Girls Trip(ガールズ・トリップ)

これも元気でる系。これはぶっ飛びすぎて元気でる。

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高校生の頃からずっと一緒のライアンとサーシャとリサとディナ。4人は社会人になり、ライアンは夫と共に成功した自己啓発本著者、サーシャはジャーナリストだったが今はゴシップ・ブロガー、リサは離婚を経験し自分の母と共に2人の子供を育て、ディナは会社勤めだったが同僚に暴力を振って解雇されたばかり。社会人になってからは、中々会えない日が続いていた。ライアンが有名なエッセンス誌が毎年開催する「エッセンス・フェス」の演説に選ばれたのをチャンスに、4人で集まる「ガールズ・トリップ」を計画する。そして4人は会場のニューオリンズに集まるが...。

(引用:https://www.cinemacafe.net/movies/29177/

もともとディナ役のコメディアン、ティファニー・ハディッシュが好きで、彼女の出世作として色々なインタビューで言及されていたのは知っていたが、日本からみれる配信サービスには長らく載っておらず、やっと観れて嬉しかった。

この映画に説明は必要ないと思う。 予告編観るのが一番伝わる。

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予告編の説明欄に「You deserve this.」って書いてあるのが最高!!!!!

黒人と白人のミックスが犯罪だった時代 "Born a Crime"

トレバー・ノアの「Born a Crime」をオーディオブックで聴いた。

Born a Crime: Stories from a South African Childhood

Born a Crime: Stories from a South African Childhood

  • 作者:Noah, Trevor
  • 発売日: 2017/09/19
  • メディア: ペーパーバック
 

南アフリカ出身で現在アメリカのThe Daily Showで司会を務めているトレバー・ノアの半生を本人が綴った本だ。彼が生まれた頃まだアパルトヘイトは廃止されていなかった。異人種間で性的関係を結ぶことが禁じられていたアパルトヘイト下の法によれば、白人と黒人のミックスである彼の存在は犯罪に当たる。それがタイトル「Born a Crime」の意味するところだ。

トレバー・ノア 生まれたことが犯罪! ?

トレバー・ノア 生まれたことが犯罪! ?

 

トレバーは現在、世界中でもっとも成功しているスタンダップコメディアンのうちの一人だろう。The Daily Showアメリカの夜のコメディーショーの中では1、2を争う人気で、そこで司会をするというのは非常に大きな業績である。

スタンダップは差別やステレオタイプまでも対象にして笑いを取るエンターテイメントだが、時に差別の背景の理解を怠ったままジョークにすることもあるし、観客によってはそれが野放しにされていることもある。トレバーはそこらへん非常に慎重で、社会の不公正が生じる構造をきちんと理解した上で鋭いジョークを放つところが好きだし安心できる。

 

そんな彼がこの本では、高校時代は南アフリカのスラムに出入りして盗難込みでお金を稼いだり、車を盗んだとの容疑をかけられて拘置所に入れられ、ギャングのふりをして周囲を威圧したなどの話をしている。WOWWOW想像できなさすぎ。

母と弟とバスに乗ったらその運転手に殺されそうになり、逃げるために母に走るバスから突き落とされた話は、深刻な話なのだが描写があまりに見事で彼の語りにのめり込み、これが彼の自伝であることを忘れそうになってしまう。

 

最終章は「My Mother's Life」という章で、彼のお母さんと再婚相手のDVについて話している。母が殴られて何度警察に飛び込んでも、どちらも警察と再婚相手がお互いに「わかるだろ?よくあるよなこういうこと」「こういう女いるよな」と言い合って結局何もしなかったことを、「It was like a boys' club.」と言っているのが印象的だった。「It was not the police's first. Men's first, and the police's second.」とも。

 

黒人と白人のミックスとして南アフリカで育った彼のエピソードを通じて、イギリスの植民地支配やアパルトヘイトが社会にもたらした分断が多様な角度から少し浮き上がってくる気がする。もちろん彼の話は全体の一部分に過ぎないのだが。この分断は南アフリカだけが経験することでも、過去のものでも、私がへえひどいと言って責任から逃れられるような話ではない。

でもコメディアンとして笑わせにきてるだろこれ…みたいな箇所もたくさんあって、問題から目は背けられないんだけど、でも笑ってしまう。両立させるのが彼のすごいところだと思う。

Spot the Africa

彼のスタンダップNetflixに3つ上がっている。全部面白いというか、私はこれを観て猛烈にスタンダップにハマったのを思い出した。*1

特に「Son of Patricia」で、イギリス軍が到着した時のインド人を演じたスキットが本当に死ぬほど好き…。

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このほかにもYouTubeにもいくつか彼のショー動画があり、特にThe Daily Showは基本的に全ての放送を小分けにしてYouTubeに上げている。

ちなみにThe Daily Showは政治の時事ネタが題材なので、これを観て、出てきた固有名詞や気になった事件の背景を調べれば、アメリカのリベラルインテリ層とは話が全然できる気がする。(リベラルインテリ層というのがミソですが)

 

特に好きなのがこれだ。

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まだThe Daily Showの司会が前任のジョン・スチュワートだった時で、トレバーは新人のコメディアンとして紹介されている。アフリカについて話しているのだが、しょっぱなからアフリカをかわいそうなものとして無意識に扱う「先進国」の人々を粉砕する。

Jon: You just flew from Africa to America yesterday, right?

Trevor: Yeah. I just flew in and boy my arms are tired!

Jon: Okay, all right there. Oldie but a goodie. Very nice.

Trevor: No, no, seriously, I've been holding my arms like this since I got here. Yeah, I never thought I'd be more afraid of police in America than in South Africa. It kind of makes me a little nostalgic for the old days back.

 

ジョン: 昨日アフリカからアメリカに飛んできたんだよね。

トレバー: そう。飛んできたばっかりで腕が疲れたよ!*2

ジョン: ああ〜…オッケー?古いけどまあ、良いジョークだね。

トレバー: いやいや、本当に。アメリカに着いてからずっとこんな風に腕を上げていたから(警官に降参する時のポーズ)。南アフリカよりアメリカでの方が警察を怖がらなきゃいけないとは思ってもなかった。アパルトヘイトを思い出させてくれて懐かしいね。

殺傷力のでかさ、そしてこれをアメリカ人の観客に向ける度胸よ。このスキットを用意したスタッフもすごいし、観客も最初引きながらも結局爆笑してるのがいい感じである。

 

このあともアフリカに関する無知を悪気なく晒すジョンと、それを静かに鋭く正すトレバーのやりとりが続く。最後トレバーはこう言う。

Trevor: I've got to be honest, Jon. Africa is worried about you guys. you know what African mothers tell their children every day? "Be grateful for what you have because there are fat children starving in Mississippi." In fact, we are so worried that me and some of my friends in Soweto got together and I told them, I said guys, for just a few pennies a day, you can help an American.

Jon: That's very kind, Trevor.

Trevor: Now they're expecting something from you in return. they're expecting at least a letter a month. If you want, you know what, you can just draw a picture.

Jon: Will you put it up on the fridge? That's nice.

Trevor: Oh and you know what? We wrote a song for you as well. Goes a little something like this

♪ feed America.

♪ let them know it's Christmas time.

 

トレバー: 正直に言うとさ、ジョン。アフリカは君たちのことを心配してるよ。アフリカの母親が子供に毎日何を言ってるか知ってるか?「自分が今持っているものに感謝しなさい。ミシシッピでは太った子供が飢えてるんだから」って言うんだよ。実際僕とソウェトにいる友達はアメリカが心配すぎて、お金を集めてきた。一日数ペニーでアメリカ人が救える、って言って集めたんだよね。(硬貨が入った入れ物を取り出す)

ジョン: …親切にありがとう。

トレバー: このお金の見返りを待ってるよ。少なくとも1ヶ月に1回の手紙とか。もしやりたかったら絵を描いてくれてもいいよ。

ジョン: 冷蔵庫に貼ってくれる?いいね。

トレバー: あ、あと知ってる?君たちのために歌も作ってきた。こんな感じ

アメリカに食料を

♪ クリスマスであることを知らせてあげよう

 

当然だがこれは台本ありきの番組なので、ジョンの言っていることは彼の自然な発言ではなく、「一般的なアメリカ人」像に基づいて書かれた台詞だ。

 

この「一般的なアメリカ人」とトレバーのやりとりが示しているのは、南アフリカアメリカに優っているとかいうことではなく(トレバーは南アフリカの一部は今でも相当混乱していることにも触れている)、

アフリカの一部が安定していないことを理由に、アフリカに住んでいる人をバカにしていないか?あなたたちが「遅れたアフリカ」の問題としているものは、実はあなたたちの中にもあるものではないのか?

ということだろう。

 

そしてこれは全くアメリカに限定する話ではない。特にアフリカの子供への募金のところは私も小学校での募金活動を思い出してウッッッッとなった。募金や支援をすること自体が悪いとかではなく、募金や支援をすることで、無意識のうちに相手を見下していませんか?ということだ。自らの子供としての純粋さを信じたくなるが、実際は多分「こんなひどい目にあうのが自分じゃなくて良かった」って思ってたよね・・・・・・・・・・そんな感情で「「「支援」」」されるの冷静にうざ・・・・・・・・・・・・

 

最後にトレバーが歌い出すFeed America~! という歌、何の替え歌だったっけ?と思ってググったら、1983〜85年のエチオピア飢饉を受けて作られた「Do They Know It's Christmas Time」だった。その時の有名なアーティストが集まってレコーディングしたらしい。2004年、2014年にも違うメンバーで録音されており、2014年の録音はエボラ出血熱流行への募金集めが目的だったそう。

 

改めて歌詞を見ると相当やばくてビビる。

And there won't be snow in Africa this Christmas time

The greatest gift they'll get this year is life

Where nothing ever grows, no rain or rivers flow

Do they know it's Christmas time at all?

アフリカではこのクリスマスには雪は降らない

今年の彼らにとって一番良い贈り物は命

何も育たない土地、雨もなく川もない

彼らは今クリスマスだということを知っているのだろうか?

この箇所はさすがにやばすぎると思ったのか、2014年版では大きく変更されていた。しかし、2014年版も批判を免れなかったことがWikipediaに書いてあった。

On 18 November, Liberian Robtel Neajai Pailey, a researcher at the School of Oriental and African Studies argued, on BBC Radio 4's Today, that the question "Do They Know It's Christmas" was meaningless, as most of the victims were Muslim. She described the song as "unoriginal and redundant" and said that it was "reinforcing stereotypes", painting the continent "as unchanging and frozen in time" and was "incredibly patronising and problematic." (中略)For Al Jazeera Paley wrote "It reeks of the "white saviour complex" because it negates local efforts that have come before it."

 

11月18日、東洋アフリカ研究学院の研究者であるリベリア人のRobtel Neajai Paileyは、BBC Radio 4's Todayという番組で、「今クリスマスだということを知っているのだろうか?」という質問自体、ほとんどの犠牲者がイスラム教徒であるため、意味がないと批判した。 彼女はその歌を「使い古されていて冗長」であると説明し、それは「固定観念を強化」し、大陸を「不変で時が止まったように」描いており、「信じられないほど恩人気取りで問題がある」と述べた。 (中略)Al Jazeera Paleyは、「(この歌は)それまで行われてきた地元の取り組みを全く無視しており、『白人の救世主コンプレックス』のようなものの現れだ」と書いた。

 

(引用:https://en.wikipedia.org/wiki/Band_Aid_30#Critical_reception

募金や支援をするなら、2010年代にもなって見下してるの丸出しな歌のリメイクなんてやってないで、その地域の作曲・作詞家を起用して新しい曲を作れよ…と思う。ただ、同時にこれを欧米の話とだけ捉えないで、自分の言動こそを見直し監視する必要がある。

 

Black Lives Matter関係の投稿で、「Love is the answer.」とかいう画像をちょこちょこ見かけたのだが、私はこの差別とか偏見の話に愛を持ち出すのがすごく気持ち悪いと思う。愛してても差別するだろ。愛してるからこそ差別構造に乗っかることを強要し、差別を助長することもある。

アフリカの子供達の募金活動に参加した幼き私や、「Do They Know It's Christmas Time」を作詞した人、参加した音楽家は、アフリカをバカにしようとして集ったわけではないだろう。100%善意。愛と言ってもいいのかもしれない。しかし愛や善意は内心バカにしている人間にも向けることができる。だからマジでマジで常に自分の行動を注意深く見つめる必要がある。自戒!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

*1:完全に余談だが、私はNetflixで英語字幕を出しながらスタンダップを永遠に観ていた時に飛躍的にリスニング能力が向上した。英語字幕を見ながら映画や動画を観ること自体リスニングの練習としてすごくいいと思うけど、加えてNetflixは多様なコメディアンを特集してるので、幅広いアクセントに慣れられたんだと思う。好き嫌いがあるので万人に勧める訳ではないが、私は爆笑してたらいつのまにか英語力が爆上がりしてて最高だった

*2:"I just flew in and my arms are tired!"というのは飛行機で来たことと、「(腕を広げて鳥のように)飛んできたので、腕が疲れた」ということをかけたジョーク。

ビヨンセとフェミニズム、香港映画、オリエンタリズムなど

色々と思ったことが溜まりつつ、どれもブログ一本書くほどの分量はないので、いくつかのテーマをまとめることにしました。

ビヨンセフェミニズム

ビヨンセが好きだ。なんであんな踊りながら最後まで完璧に歌えるの?振り付けもすべてが自信に満ちていて、QUEENという呼び名がここまでしっくりくるアーティストを私は他に知らない。

ビヨンセのパフォーマンスを観てると一瞬で時が過ぎるので、いつもジムで走りながら彼女のライブ動画を観ている。ぶち上がったテンションを走りに発散できるし、体力もつくし最高である。最近はジムに行けないのでビヨンセのコーチェラのライブアルバムを聴きながら走っている。

 

私が彼女について一番好きなところは、自らの政治的メッセージを前面に押し出すところだ。彼女のフェミニスト宣言は有名だが、パフォーマンスの中でも自分が黒人女性であることを何度も言及し、表現する。彼女のセクシーなパフォーマンスは差別主義者はもちろん、一部のフェミニストからも批判されてきたが、「Don't feminists like sex?」と言ってやりたいことを通すことで、むしろフェミニズムにも影響を与えているのがかっこいい。

ビヨンセは脱ぎすぎだからフェミニストじゃないみたいな批判ももう10年くらい前の話なので古い話のような気もするんだけど)ビヨンセのパフォーマンスと性的搾取の違いは、そこにビヨンセの主体性があるかという話である。

We teach girls to shrink themselves, to make themselves smaller
We say to girls: "You can have ambition, but not too much
You should aim to be successful, but not too successful
Otherwise, you will threaten the man 

というChimamanda Ngozi Adichie(「We Should All Be Feminists.」と言ったことで有名な作家)のスピーチを会場に響き渡らせる人が、家父長制に取り込まれて服を脱いでいるように見えるだろうか。

現在のビヨンセはセクシーな衣装を着る一方で、誰が望んでその服を着るのか(自分だ)、誰が権力を握っているのか(ビヨンセだ)という点を提示することに非常に自覚的だと思う。*1

 

また彼女は歌詞やパフォーマンスで怒りを堂々と表現する。コーチェラでのライブパフォーマンスで、「We've had enough!」「Suck on my b***s!」となんども叫ぶ姿を見て完全に「「「共鳴」」」したし、ほんまにまじでフェミニストは言い方に気をつけるべきとか言う輩は黙れよカスと思った。

 

前にシャッフルで音楽を聴いていたら、ジェームズブラウンのThis is a man's worldが流れてきてモヤっとしたことがある。

You see man made the cars
To take us over the road
Man made the train
To carry the heavy load
Man made the electric light
To take us out of the dark
Man made the boat for the water
Like Noah made the ark

 

This is a man's world
This is a man's world
But it wouldn't be nothing
Nothing without a woman or a girl

ジェームズブラウンはThis is a man's worldとなんども歌い上げた後に「But it wouldn't be nothing / Nothing without a woman or a girl」と続けるのだが、これは彼なりに女性を上げているつもりっぽい。

私はジェームズブラウンの曲が基本的に好きなので一生懸命好意的に解釈しようとしたのだが、いや女にも文明を担わせろよ、なんだかんだ言って男性の現在の権力を手放すつもりがないのに何が女性は大事やねんという結論になった。

 

一方、ビヨンセのRun The Worldを見てほしい。

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もうそもそもRUN THE WORLDなわけだから、今の権力構造をぶち壊す気満々である。途中で「Boy, I'm just playing, come here baby / Hope you still like me...」と媚びる一文が現れたと思えば、次の瞬間

FU pay me

と中指を立てる。(これ態度が急変しすぎて何回聞いても笑ってしまう)

 

色々なフェミニスト像があるけれど、私が憧れるのはビヨンセのようなフェミニストだ。努力を突き詰めて戦って怒って、他人が戦って怒らなくても正当な扱いを受けられるように道を拓きたい。駆け上った後も、自分の前に戦ってくれた先輩たちへの感謝と賞賛を常に忘れないようにしたい。

 

と言いつつ人間を神格化するのはよくないのでもっと考えたいなと思ってこの本を読んでいたのだが、ビヨンセの黒人性に注目し、intersectionalityの観点からビヨンセのパフォーマンスやフェミニストからの批判を分析する論考が多く面白かった。

またビヨンセ新自由主義的とする意見もあるが、どうだろう。私はパフォーマンスを観ていてビヨンセのメッセージが恵まれた女性のみに向けられていると思ったことはないけど、私は色々な意味で恵まれているので見えてない部分もあると思う。今はそこらへんの論考を読んでいます。

香港映画

春休み本当に暇で、edXで香港大学が出している香港映画の授業動画をなんと最後まで観た。(オンライン授業最後まで行けたの初めてw)同時にいくつか香港映画を観たんだけど、そのうち特に心に残ったもの。

An Autumn's Tale(秋天的童話) 

誰かがあなたを愛してる(字幕版)

誰かがあなたを愛してる(字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

授業で紹介されていて、面白そうだなと思って観たもの。日本では公開当時そこまで話題にならなかったぽいんだけど、Huluにあった!

実際観ると思った以上に主人公のジェニファーに自分の経験が重なって見えて、授業での分析を放り投げてこれは私の物語じゃねえか!!!と感動しました。

香港から演劇の勉強のためにニューヨークへやってきたジェニファーは、やくざな生活を送る遠縁の青年サミュエルのボロアパートで暮らすことになる。ジェニファーには、先にニューヨークに来ている恋人がいたが、彼にはすでに新しい恋人ができていた。失意のジェニファーを慰めるサミュエル。2人の間にはほのかな恋心が芽生えるが……。

Wikipedia

ジェニファーはニューヨークに来るまで外国に住んだことはなかったと思われる。この初めての外国居住を、友達もおらず1人で開拓しなきゃいけない感じが、自分がバークレーに留学したときと重なって見えたのだ。

 

バークレーに着いて留学生活を始めた時、今までの人間関係や財産が一旦リセットされて、0からやり直しになる感覚があった(実際は0になるわけではないのだが)。

友達作らなきゃ積極的に話しかけなきゃ授業がわからない予習が多すぎる英語ができなくて悲しい

みたいに一気になだれ込んでくる感情と思考が多すぎて、頭の一部分をストップさせて全てに向き合うのをやめないと生きていけない感じだったのをこの映画を観ていて久しぶりに思い出した。 

香港からニューヨークに向かう飛行機やニューヨークの空港での、ジェニファーの不安を必死で見ないようにしているような緊張しきった顔や、学校でなんとなく気圧されて、中華街のご飯屋で1人でうっすい卵サンドを食べている描写が、あの頃の自分を見ているみたいだ。

 

そんな所にシュンタウがたまたま現れ、ジェニファーの分まで勝手に大量のご飯を頼む。ジェニファーが相談があると言って本棚を買いたいと言うと、そんなものは作ればいいと言ってご飯の後すぐジェニファーの部屋に来て本棚を作る。

何もかもが新しい状況で自分の感情を直視できないくらい不安な時に、シュンタウみたいにその地域に馴染んでいて、兄的存在で自分を気にかけてくれる(しかも故郷の言葉で話せる)人はね、やばいんだよな。観ながら、「いや、これは…恋に落ちるわ!!!」って叫んだ。

 

しかしジェニファーは時間が経つと大学に馴染んで、友達もできていく。印象的なのがシュンタウの誕生日パーティーのシーンで、シュンタウはジェニファーの友達に馴染めず、しかもジェニファーの元カレが登場してジェニファーと仲良くしてるところを見てパーティーを抜け出す流れだ。

 

私とジェニファーが異なるのが、私は大学の寮にいたから周りの人間も同じような教育資本を持っていたのだが、ジェニファーが住んでいる中華街は必ずしもそうではないという点だ。

ここら辺が香港大学の授業で解説されていたのだが、ジェニファーは大学に行くだけの教育資本があるので英語やアメリカ的教養、人脈を身につけることができるから、アメリカン・ドリームを駆け上がることができる。一方で、シュンタウには教育資本が少ないために(彼は英語はほとんど話せないという設定)アメリカ社会になじむことが難しく、ジェニファーと環境の差が徐々に広がっていく。

ジェニファーがシュンタウから距離を置こうとはしていないところが救いだが、ハッピーエンドのはずのラストシーンも、裏にある格差を考えると本当にハッピーエンドなのかわからなくなる。

 

あと本筋とはあんま関係ないが、ジェニファーの元彼がモラハラクソ野郎で、振られた時ジェニファーは完全にモラハラの餌食になっているのだが、終わりの方のシーンでジェニファーは元彼を静かに拒絶する。留学生活を通したジェニファーの成長を感じた(笑) 私も素敵だと思っていた人に対して留学後そう大した人間じゃなかったなと思ったことは割とあったのでわかりみが深かった。

花様年華

花様年華 (字幕版)

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  • 発売日: 2013/11/26
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前のブログに書いたが『恋する惑星』が刺さりまくったので、王家衛監督の映画をだいたい全部観た。その中で特に好きだったのがこれ。

舞台は1962年の香港。ジャーナリストのチャウ(トニー・レオン)は妻と共にあるアパートに引っ越してくる。同じ日、隣の部屋にはチャン夫妻が引っ越して来ていた。チャウの妻とチャン夫人(マギー・チャン)の夫は仕事のせいであまり家におらず、二人はそれぞれの部屋に一人でいることが多い。そして実はお互いの妻と夫が浮気していることを察し始め、そのうちに二人は次第に親密になっていく。

 (Wikipedia

授業でも王家衛監督作品が取り上げられていたのが、彼の作品の特徴の一つとして「Unlikely couple」が挙げられていて(日本語だと非現実的なカップル?)、面白いなと思った。

なぜなら私は彼らはぜんぜんunlikelyじゃないと思ったからだ。

 

確かにどのカップルも映画でよくある設定からは外れている。『恋する惑星』は失恋したばかりの青年が麻薬の運び屋の女をナンパする話だし、『ブエノスアイレス』ではやり直すための旅行といってアルゼンチンまで行った香港人カップルが金が尽きて土地勘もないブエノスアイレスに居住せざるを得なくなりそこでもくっついたり別れたりするし、『花様年華』の2人もそもそもお互いの夫・妻が不倫していることがわかってからの関係だ。

 

でもなんとなく、その辺に転がってる話のような気もする。みんな言う相手を選んでるだけで、麻薬の運び屋をナンパしたとか、自分は経験ないかもしれないけど友達の友達くらいまで広げれば1人くらいヒットしそうじゃない?

 

むしろ、「unlikely couple」と称される彼らの方が、「likely couple」として想定されるようなカップルより私はリアルに感じられる。

個人的に、人に好きになったときのきらめきとか、いい感じになるときの空気感とか、一つ一つの点は共感できるんだけど、その点と点が「likely couple」として示されるような、「出会っていい感じになって付き合ってちょっと喧嘩したり別れたりしつつ結婚する」という線に矯正されて提示されると途端にわからなくなる(だから私はラブコメを観ないし人の恋愛相談もあまり聞けない)。

王家衛映画は恋愛を描くにしても、線より点に焦点を当てている感じがする。

 

さらにいうと線で繋げないということは人生をわかりやすく整理せず、かつ選択の可能性を良い意味でも悪い意味でも狭めないということだから、結果的に彼らの行動がunlikelyと評価されるのかも。彼らの本質が「unlikely couple」なのではなく、彼らの行動が意図的に整理されないことで、unlikelyに映っているのではと思った。

Crazy Rich Asians

Crazy Rich AsiansをNetflixでもう一回観た。最初に観たときはおお〜英語の映画でみんなアジア人は新鮮〜ヘンリーゴールディングまじかっこい〜私の好きなスタンダップコメディアンが出てる〜っていう感じだったのだが、

musicallyrics.hatenablog.com

2回目観てみるとまた色々と違う感想を持った。

 

初めに言っておくと、私は基本的にこの映画が好きだし、ハリウッドのアジア表象において重要な役割を果たしていると思っている。

アジア系アメリカ人のハリウッド映画における表象の貧困さはそこまで映画に詳しくなくてもわかるし、Crazy Rich Asiansの成功はその後アジア系を主人公にするドラマ・映画が増えたことに続いていると思うので、非常に大きな第一歩だと思う。

 

しかし、北村紗衣先生が著書『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』で権利を奪われた人の声を具体化するような革新性を持っていると思える映画にもいろいろ保守的なところはある、ある程度古典的な要素があるからこそ受け容れられやすい」ご本人による要約の引用

ということをおっしゃっているが、この映画も同じことが言えるのではないか。

 

この映画の筋はざっくり言うと、家族重視のアジアと個人重視の欧米の価値観の間で、中国系アメリカ人が揺れる話である。

私はこの「家族・伝統重視のアジア VS 個人重視の欧米」という対立関係に疑問がある。

 

アジアに生まれ育ったアジア人がこの映画を観た時、エレノアが主張する「アジアは家族ファースト」に、どれだけ共感するだろうか。

ていうかこれは普通にみんなに聞きたいんだけど、Crazy Rich Asians観たアジアで育った人、これは私の文化だ!って思いましたか?私はまったく思いませんでした。より詳しく言えば、昼ドラみたいだなw由緒あり経済力が死ぬほどある家ではあるのかな?と思ったけど、身近な話ではない。

 

まあこれはまずシンガポールの中華コミュニティ、かつ大富豪の話なので、日本で育ち大富豪でもない私に必ずしも当てはまらないだろう。

しかし裏返せばそれは、アジアで個人よりも家族を重視する家族・一族がいるとしても、それはその家族や一族の経済基盤や出自など様々な社会的要素によって規定されるものであって「アジア人だから」ではないということだ。

何を当たり前のことを太字で書いてるんだろうと思うが、この映画では、経済力の違いよりもアジアVSアメリカの対比が強調され、ヤング一族の家族重視はアジアの「本質」でかつ「不変」の特徴として提示される。

 

レイチェルが雀荘でエレノアと対決するシーンのエレノアのセリフがそれをはっきりと示している。*2

Rachel: You didn't like me the second I got here. Why is that?

Eleanor: There is a Hokkien phrase, kaki lang. It means our own kind of people, and you're not our own kind.

Rachel: Because I'm not rich? Because I didn't go to a British boarding school or wasn't born into a wealthy family?

Eleanor: (Shakes her head) You're a foreigner. American - and all Americans think about is their own happiness.

家族重視はこの映画だけの話ではなく、スタンダップコメディや他の映画などでもアジアの特徴として繰り返し語られているため、欧米とアジアの文化を比較する人々の認識に深く根付いている構造なのではないか。

欧米を基準として他文化を見る際に、その他文化を過度に抽象化し、不変のものとして扱う。ああこれはオリエンタリズムだなあと思った。

一方には、現在のせいを営む人々の集団があり、他方では、それらの人々が、研究対象として、「エジプト人」「イスラム教徒」「東洋人」となる。(略)前者は常に多様性を増大しようとする傾向をもつが、この多様性はつねに下向き・後ろ向きに抑制され、圧縮されて、根源的な一般性の極点へと向かわせられる。(P. 81)

 

これまで私が議論してきたのは、「オリエント」それ自体が一箇の構成された実態であるということ、そして、ある地理的空間に固有の宗教・文化・民族的本質にもとづいて定義しうるような、土着の、根本的に他と「異なった」住民が住む地理的空間というものが存在するという考え方が、やはりきわめて議論の余地のある観念であるということであった。(P. 273-274)

 

引用:E. W. Said (1978). Orientalism. Pantheon Books. (E.W.サイード 今沢紀子(訳)(1993).オリエンタリズム(下) 平凡社

オリエンタリズムは偏見を再生産するだけでなく、必ず欧米のアジアに対する優越を肯定する。この映画が結局レイチェル(欧米)のエレノア(アジア)に対する勝利で終わったように。

 

私はオリエンタリズムは白人だけのものではなく、抵抗しなければほとんどの人が染まっており、抵抗しても何かしらの影響を受けていると思っている。 アジア系アメリカ人も、アジアで育った人間も、例外ではない。アジア系アメリカ人が作ったAll Asian Cast!の映画でも、オリエンタリズムに無自覚である限りその構造に抗うことができず、また抗わなかったからこそ欧米で大ヒットしたのかなと思った。

*1:現在の、とつけたのはビヨンセもキャリアを通じて今のようにフェミニストであることを強調してきたわけではない(らしい)からだ。私はその時のビヨンセをリアルタイムでは知らないし勉強も足りないのでそこには言及しません…このブログで書いたのはフェミニスト宣言後のビヨンセについてです

*2:ただ、これは映画では強調されているが、原作ではそうでもなかったきがする。原作は本当に最初だけ読んで飽きたwwので正確なことは言えないのだが、原作ではエレノアや周りの人たちがレイチェルを元々台湾系富豪一家出身でアメリカ育ちの女性だと勘違いして認めるムードだったのだが、実は大陸からアメリカに移民したシングルマザーの娘と知って大騒ぎになるシーンがあったのを覚えている。映画でもちろっとセリフは残されているが、原作ではもっと強調されていてMainland?!?!みたいな感じだった。台湾の富豪ならokだが大陸の農民はマジでありえん、みたいな対比が印象的だった。

【中華系映画】面白かった作品8本の感想をまとめる

映画『恋する惑星』にハマって以降、中華系映画をよく観ている。

前に一度Netflixで中華系映画を探した時は、好みじゃないカンフー系の香港映画かラブコメしか出てこなくて結局観なかったのだが、Amazon PrimeとかiTunesのレンタルを使うと幅広いジャンルの映画が出てくることに気づいた。

一気に観すぎて何を観たか忘れがちなので1本ずつ感想をざっくりまとめたいと思います。やっぱり日本語or英語字幕のあるものってなると大陸の映画より香港・台湾の映画の方が見つけやすいので今はそこらへんを中心に観ていますが、いずれ大陸の映画もちゃんと観たいなと思う。

恋する惑星重慶森林)

恋する惑星 (字幕版)

恋する惑星 (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

1995年に公開された香港映画。友達に絶対好きだからと勧められたのと、出演している金城武が好きなのでわざわざiTunesでレンタルして観ました。絶対好きだよと言われつつ、まあ自分の好みがわかるのは自分だけだからなあ〜と思っていたのですがマジでドンピシャだった。疑ってごめん。

失恋した警官223号(金城武)は、逃亡中のドラッグ・ディーラーの女(ブリジット・リン)と出会う。続いて、恋人とすれ違いが続く警官663号(トニー・レオン)は、飲食店〈ミッドナイト・エクスプレス〉の店員フェイ(フェイ・ウォン)と出会う。

(引用:Wikipedia

あらすじ簡潔すぎるやろって思うけど、でもだいたいこんな感じ。恋愛映画なのだが、出会って関係を構築する様子を丁寧に描くというより、出会った瞬間のきらめきにフォーカスして、繊細に自由に描いている。

この映画は国際的にも高い評価を得ているが、その理由の一つに、この映画がみんながイメージする「アジアの国際都市・香港」の美しさを最高に昇華させていることにあると思う。金城武が素性不明の女をナンパするときに、言語を広東語・日本語・英語・普通語に次々と切り替えて話しかけるシーンや、夜の街に白人の男がたむろする光景は外国人がイメージする香港に一致するのでは(今は色々変わってる部分があると思うけど)。香港人が思う香港のイメージはわからないので外国人からの視点に限定するが、外国人が憧れる香港が、最高に美しい形で現れている。

 

この映画で特に印象的なのが、女性たちだ。外に開けた自由さがあって、飛びたいところに飛んでいく感じがいい。トニー・レオンの元カノはキャビンアテンダントで、世界中の都市を飛び回るうちにトニーに飽きて振ってしまうのだが、この、女性が外国への抵抗感が少なく、香港の外にぱっと出ていく感じが国際都市としての香港のイメージと重なる(返還直前の移民ブームも影響しているだろう)。ネタバレになるから詳しくは言わないけど、他の登場する女性もその自由さが印象的だ。

対照的に、この映画で出てくる男性2人は相当繊細である。どちらも失恋に傷ついているキャラクターなのだが、傷つき方がちょっと面白い。私は自由な人に惹かれるけど、こっちの繊細さ強烈な魅力を感じる人もいると思う。

 

先ほども言った通り人生の営みを描くのではなく瞬間的なきらめきを捉える映画だから、女性たちももしかしたら数年後には、結婚して子供を抱えて、自由に海外には出なくなっているかもしれない。ただ、そういった社会を映画は見せることはなく、今この瞬間の自由さと繊細さを描いているところが幻想的であり、魅力だと思う。

 

あと個人的にトニーレオンの顔が好きすぎる

インファナル・アフェア(無間道)

トニーレオンが出てるやつ…と探して見つけた映画。普通に日本でも大ヒットしたから知っているかもしれない。Amazon Primeにあります。

1991年、ストリート育ちの青年ラウは香港マフィアに入ってすぐ、その優秀さに目を付けたボスによって警察学校に送り込まれる。一方、警察学校で優秀な成績を収めていた青年ヤンは突然退学となる。彼は、警視に能力を見込まれマフィアへの潜入を命じられたのだった。やがて2人の青年は、それぞれの組織で台頭していく。そして10年後、警察はヤンから大きな麻薬取引の情報を受け取る。しかし警察の包囲網はラウによってマフィア側に筒抜けとなっていた。検挙も取引も失敗に終わったことで、警察、マフィア双方がスパイの存在に気づいてしまうのだった…。

(引用:Wikipedia

私はアクションとかマフィア映画はそんなに好きじゃないのですが、この映画は面白かった。2時間の間、一切だれず、緊張感が一度も途切れないのがすごい。マフィアとかアクション自体が好きな人はめっちゃ名作と思うのでは。ただこの感想の薄さからもわかるように私は他の映画の方が心に残りました。

さらば復讐の狼たちよ(譲子弾飛) 

www.youtube.com

2010年に公開された中国大陸映画!Netflixにあります。これは私的にめっちゃ好みだった。中華民国期(1920年代)が舞台のコメディ映画なのだが、当時・現代の中国社会の風刺が散りばめられている。

1920年軍閥が割拠する乱世の中華民国。金で県知事の地位を買った詐欺師のマー(馬邦徳)は赴任先の地方都市・鵝城(がじょう)へと向かう途中で、指名手配の“アバタのチャン”(張麻子)率いる7人の覆面ギャング集団に襲われる。マーは自らの命を守るために県知事の書記になりすまし、チャンに「鵝城の県知事になれば金儲けできる」と県知事になりすますことを促して、彼らは鵝城に到着する。だが、その街はすでに独裁地主ホアン(黄四郎)に牛耳られていた。ホアンの横暴ぶりは悪党のチャンたちでさえ許せぬほどであり、両者の対立は深まっていった。そしてチャンの舎弟が自害を強いられたことで、ついに両者は全面対決になだれこむ。

普通にただの復讐劇としても面白いしジョークも笑えるのだが、中国の歴史に通じる比喩が色々入っているのでそこらへん詳しい人は特に楽しめそうだと思った。例えば明らかに項羽と劉邦の「鴻門の宴」を意識している会食シーンがあったり、毛沢東を彷彿とさせるセリフがある。公式ホームページにもいくつか取り上げられているので、読んでみて面白そうだなと思った人はぜひ観てみてください。超おすすめ。

ちなみにこの映画のチアン・ウェン監督は、2000年に公開した日本侵略を描いた映画『鬼が来た!』を当局の検閲を通さずに公開したことで映画製作・出演禁止処分を受けており、2007年に公開した『陽もまた昇る』まで監督業ができなかったという過去がある。ムビコレというサイトの監督インタビューでこれに触れていたのだが、

──あなたは『鬼が来た!』(00年)で中国当局から処分を受け、俳優活動を一時やめざるをえませんでした。また、監督としても『陽もまた昇る』(07年)まで5年間、撮ることができませんでした。中国で映画を撮る難しさや利点についてはどう感じていますか?
監督:利点は人が多いこと。映画館も多くて、しかもますます増えている。それ以外はすべてマイナス要因だよ。 

と答えていて笑ってしまった。 それ以外はすべてマイナスってのも面白いけど利点は「人が多いこと(だけ)」って、なんか他にもあるやろwww

十年

Netflixにあった香港映画。2015年に公開された、「香港の10年後を描く」というテーマで5つのショート・ストーリーで構成されたディストピア映画だ。一つ一つのストーリーを別々の5人の監督が撮っている。公開当初は小さい劇場1つのみでも上映だったのが、評判を呼んで上映劇場がどんどん広がったそう。

基本的にどのストーリーも中国共産党の弾圧が強まっているという前提で撮っている。2015年といえば雨傘運動の翌年。制作自体は雨傘運動の前から始まっていたらしいのだが、運動を受けてプロットの変更もいくつかあったらしい。

 

それぞれのストーリーはどんな政治的背景を受けて作られているか、香港研究者の倉田教授が解説している記事があるので貼っておきます。

cinefil.tokyo

私が一番印象に残ったのは3つ目の「方言」だった。広東語と英語のみ話すタクシードライバーの主人公が、徐々に普通語が浸透する香港社会で、徐々に行き場をなくすという話。(現在の香港社会では広東語が共通語。返還後普通語教育が広まっているので普通語も結構通じるらしいが、あくまでメインの言語は広東語)

 

普通語で教育する学校が増えてくる中で、香港人が広東語を守ろうとしているのは知っていた。ただ、私は自分の言語が自分の故郷で使えなくなることへの恐怖感をわかっていなかったんだなあと思った。自分が育ってきた土地にいるはずなのにここに行き場がないとすれば、自分はどこに行き場があるのだろうか?

日本で育っている自分はこの恐怖感というのがいまいち理解できてなかったと思うし、今も理解できていないと思う。ただ、映画のタクシードライバーの目が、諦めとどうしようもないやるせなさに満ちていて、こういう状況にしたくないという香港人の恐怖感が少し見えた気がした。

 

ちなみにNetflixに、民主化運動の学生団体のリーダー・Joshua Wongのドキュメンタリーもある。香港の民主派にも色々あるけど、外国メディアで注目されやすいのはここら辺の勢力だと思う。

www.netflix.com

Netflixにこういうドキュメンタリーを撮らせるあたり、彼らの国際広報力は本当にすごい。私がそもそも香港に興味を持ったのも周庭さんの東大での講演に行ってからだったが、彼女が日本語で発信しているツイッターが多くの日本人にとってのメインのデモ情報を得るソースになってる気がするし。最近のコミケでも香港の民主派側の記録が同人誌として販売されていたのが話題になった。

親中国側の意見も日本語or英語でこれくらい目に入りやすいと私としては助かるけどまあてめえが語学を勉強しろって感じですね

点対点(點對點)

大陸から香港に赴任したばかりの北京語教師のヒロインは、地下鉄の駅で点ばかりの落書きを見つける。点つなぎのような図形に導かれ、香港の街を探索し始める。

(引用:Netflix

これもNetflix。同じ香港映画でも『十年』と全然違う。

はじめの方でいかにも意味深に「点と点をつなぐ」とか言うから、ミステリーかと思ったら全くミステリーではなくほのぼの恋愛映画で拍子抜けした。ほのぼの恋愛映画は私はそんな好きじゃないので微妙だった。

ただ、香港の老舗メディアSouth China Morning Postが「Dot 2 Dot is a touching love letter to Hong Kong」という題のレビューを出しているように(Dot 2 Dotというのは英語版の題名)、昔と今両方の香港の街並みへの愛を感じたし、登場人物がスローライフを(中途半端に)目指しているだけあって、香港の観光地以外の場所がかなり映されるのは興味深い。

香港に馴染みの深い人が見ると色々と思い出すことがあるのかもしれない。

www.scmp.com

あとちょっと意外だったのは、大陸出身で香港に引っ越してきたばかり、広東語ははじめ苦手だったという設定の主人公の女性が、周りの香港人から最初から好感を得ているところだ。

大陸人ということで差別的な言葉を投げかけられるシーンはあるのだが、その言葉をかけてきたのは主人公にいたずら電話をかけてきたどこの誰かもわからない男で、職場の人だったり、生徒ではない。むしろ彼女を大陸から引き抜いてきた語学学校の校長(彼女は語学学校で普通語を教えている設定)に対して、「大陸から優秀な子を引き抜いてくるなんて、さすがやり手だなあ」というセリフがあるように、大陸人や普通語に対してニュートラルな態度の人ばかりだった。

まあ語学学校なので、彼女の周りにいる人は大陸に反感を持っている人は少ないんだろうけど。私は普段香港の政治関係のことばかりに勉強が向いてしまっていて、大陸人に対する香港人差別意識とかに目が向くんだけど、現実はもっと複雑なんだろうなと思った。あとまあこの映画が政治色をがっつり抜いているというのもあるかも。

先に愛した人(誰先愛上他的) 

www.netflix.com

死んだ父親の恋人で保険金受取人にもなっている自由気ままな若い男と、その事実に激怒する気の強い母親の間に挟まれ、思春期の息子は戸惑いを隠せない。

(引用:Netflix

これはもうめちゃめちゃめちゃめちゃよかったです。病気が発覚した父が家庭を捨てて昔付き合っていた男の元に戻ってしまう。しかも自身の保険金の受取人を息子からその恋人に変更していた事実が父の死後に発覚する。というストーリー。

息子、父、母、恋人、という4人の描き方がとても丁寧で、感情移入がしやすかった。優柔不断な父、ヒステリックな母、ちゃらんぽらんな恋人、どこか醒めている息子、という一見わかりやすいキャラクター設定なんだけど、彼らがそれぞれ考えていることや感じたことがゆっくりと明かされていくので、思わず魅入ってしまう。ただ、みんなどこかコミカルなので、頭痛はせず観やすいのがすごい。

 

また、父の昔の恋人が男性だったということでLGBTQの話もがっつり絡んでくる(特に母はホモフォビア全開)。これについてどう書こうか悩んでたけどめちゃ網羅してくれてるブログを見つけたので貼っておきます。

cinemandrake.com

僕らの先にある道(后来的我们)

これはNetflixで観た。前に感想書いたので貼ります。私はぶっちゃけこのハマった時に見過ぎて飽きたwwwけど、今でも好きな映画の1つ。

musicallyrics.hatenablog.com

 

2019年もあと少し!来年も色々考えて良い年にしたいですね。

②【独学】国家公務員試験総合職・教養区分二次試験対策

前回の続き。

musicallyrics.hatenablog.com

コネクションを作ることの大切さ

二次は人と話す試験なので、公務員志望の友達とか、予備校とか、大学のグループを活用することを強くおすすめします。私は予備校には行きませんでしたが、大学に教養区分対策をするグループがあり、企画提案・政策討議・人物面接すべてにおいて合格者からフィードバックを得られる機会がありました。

大学の対策グループがなく、かつ予備校に行くお金をかけられない場合も、省庁の説明会や予備校の説明会(無料)に行ってそこにいる人に話しかけ、公務員志望の仲間を見つけて一緒に対策するという手もあります。

それも無理であれば、民間の就活を終えた友達や先輩に、企画提案で考えた政策や、人物面接で使う面接カードを見せて、疑問に思ったところを突っ込んでもらいましょう。政策討議は民間のグルディスとそんなに変わらないので、民間の就活やってる組のグルディス対策に混ぜてもらうといいと思います。

とにかく人と話し、突っ込んでもらうというプロセスを繰り返すことが大事です。

 

本題からちょっとずれますが、この2次の試験対策をしている時に、私は「大事な情報が大学内でしか回ってない。そりゃ東大生は有利だよね」と思ったんですよね。大学受験とかでも地方より東京の方が情報やより良い環境にアクセスしやすい問題はあると思うけど、教養区分はその格差が100倍開いた感じかなと思いました。

もちろん東大生は大学受験の時点で多くの科目を勉強しているので一次試験の時点で有利であり、だから結果的に教養の合格者は東大生が多いというのは絶対あると思うのですが、東大以外の大学に行っていて教養区分に受かる素質のある人でも、情報が入ってこないから対策で不利になる、というのが起こりうる現状を見逃すのは嫌だなと思いました。(予備校いけば解決はするけど誰でも予備校に行けるわけではないので)

なので、このブログで対策法を書いています。予備校に行かず、周りにも教養を受ける人があまりいない人に届けばいいなと思います。

勉強期間

一次の結果が出て、企画提案の資料ざっと読んだり関連する本を借りてきたりっていうのは割とすぐやったのですが、本ちゃんと読んだり政策を考えたりっていうのは10月の終わりくらいから始めました。なので対策期間はだいたい2週間くらいです。

詳しい対策は下に書きますが、一次とは違って面接だとかグループディスカッションとか、人と話す試験なので、1日10時間がっつり勉強するっていうのができなくて逆に不安でした。私は民間就活してないからやることなくて暇だったんだよな…。民間も並行してやっている人は忙しい時期だと思いますが、そうでない人はだいたい1日1〜2時間二次試験関連のことを(正しく)やっていれば大丈夫な気がします。もちろん個人差はあるけどね!!!1日何時間も勉強しなくても大丈夫だよってことです。

企画提案

事前準備

与えられた課題について具体的な政策を提案する試験。

事前に資料が提示されて、なんとなくここら辺の分野が出るよ〜というのがわかります。本番はこの資料にプラスでいくつか資料が提示され、課題文が与えられます。それらを読んで、最初に自分の政策を説明する論文を1200字くらいで書きます。その後面接官2人の前で自分の政策を5分で発表し、20分間の質疑応答を行うという流れ。

 

私たちの年は3つ資料が提示されたのですが、

  1. 文化政策
  2. 教師の働き方改革
  3. 教育再生

本番の課題は「日本文化の海外発信の施策を考えよ」でした。2と3は関係なかった。

だいたいみんな、事前に発表された資料を読んで課題を推測し、それに対応する政策をあらかじめいくつか考えて試験に望んでいます。私も、

  1. 文化政策→「日本の文化を振興する政策を考えなさい」
  2. 教師の働き方改革→「教員の労働時間を削減する政策を考えなさい」

というお題を設定して政策を考えていきました。教育再生に関しては、私も周囲の友人も誰も資料からお題が推測できなかったこと、ちょうど大学受験改革が炎上していて多分出ないだろうと踏んだことから政策は考えていきませんでした。

 

課題の推測の仕方としては、

・資料の見出しに出てくる言葉

・何に分量が多く割かれているか

に注目するといいのではと思います。

 

政策の考え方としては、よく言われることですが

政策目標…この政策を通じて何を実現したいのか?なぜ国がやる必要があるのか?

→現状分析

→課題…現状は目標と具体的にどうずれているか?問題点は何か?

→課題を解決する施策

→施策を実行した場合の弊害、その解決策

 という順番で考えると、論理的かつわかりやすいと思います。

べき論を軽視しない

私が個人的にやってよかったと思ったのは、企画提案でも政策討議でも、最初の「政策目標」を突き詰めて考えたところです。例えば、「文化政策の最終目標は?」って突然聞かれても、はっきり答えられなくないですか?

「文化を振興する」ことが目的かな?と思っても、

・そもそも文化とは何か?

・なぜ文化は振興する必要があるのか?

・なぜ国がやる必要があるのか?

・国が文化を振興するというのは逆に言えば検閲ではないのか?

とか考え始めると色々はてなが浮かびました。

単純に文化を振興して日本の経済を活性化〜とかでも間違いではないけど、でもその場合、日本に経済価値をもたらさない文化は廃れていいのか?という疑問が生まれるし、最終目標と呼ぶには次元が低いですよね。

そのはてなを放置せずに図書館に行き、本を読んだ結果文化政策の目的は、社会における多様な価値観を保持することで、市民の幸せを実現することである」という意見に行き着いたんですね。(まあ全ての政策の最終目標は「市民の幸せ」であるべきなんですが)これを意識した上で政策を考えるのは重要だなと思いました。

さらに、私は面接本番で「あなたにとってのこの政策の最終的な目標ってなんなんですかね?」ってドンピシャな質問を聞かれたので、用意しておいて損はないと思います。

論理はガチガチに固めて考えて、論文でちょっと緩める

家で考えていく政策の論理は、ガチガチに固めていきましょう。政策目標はこれで良いのか、課題は何か、施策はきちんと課題に適応しているか、なぜ国がやる必要があるのか、なぜ他の施策ではダメなのかなど。

論理を固める上でも、友達や先輩に突っ込んでもらうのは大事です。自分では気づかなかった論のほつれに気づくことができるので。

 

ただ、本番で書く論文に上記の論理の流れを全部書くスペースはありません。目安の字数はだいたい1200字ですが、試験前に家で書いてみたら私は2400字いきました。

そこで、本番で書く論文は、ある程度説明を省略します。政策目標全部抜くとかはダメですが、例えば「なぜこのターゲットを選んだのか」という点を書かないとかね。論理の流れの中の、「なぜ」の部分をところどころ抜くことで、プレゼンの時に面接官がそこを質問するよう誘導することができます。

例えば私の施策は海外の富裕層をターゲットにしたものだったのですが、「なぜ富裕層なのか?」という説明は書くスペースがなかったので論文から抜きました。で、やっぱりプレゼンで「なんでわざわざ富裕層に限定するんですか?」と聞かれました。

考えてもいなかったことを質問された時の対応も大事ですが、やっぱりすでに考えていたことを質問される方が内容のある回答ができます。とにかく準備の段階で考えた政策は論理をガチガチに固める。で、本番は緩める。と、質問は誘導しやすいんじゃないかな。

当日

当日はまず課題文と資料が与えられ、それらを用いながら2時間で課題文に対する自分の意見を書きます。そのあと昼休みがあり、待ち時間があったあと、プレゼンの準備をする部屋に連れていかれて、10分間で発表の準備をします。その後面接官のいる部屋に連れて行かれて、5分で発表→20分質問、という流れ。

問題用紙はプレゼン中も見ることができるので、論文を書く時に時間が余ったら余白にプレゼン用の内容まとめを図みたいにして書いておくといいでしょう。時間が余らなくても、10分間の準備時間でできるので大丈夫です。

政策討議

民間就活でいうグループディスカッション。当日課題と資料が与えられます。課題を解決する政策としてAかBかの選択肢が与えられるので、自分はAかBのどちらの政策を支持するか考え、自分の意見を説明するレジュメを20分で作成します。

そのあと5人のグループでディスカッションするという流れ。ディスカッションで何をしなければならないのかは特に決められていませんが、みんながだいたい賛成できる政策をいくつか考える(AとBの折衷案になることが多い)、というゴールになることが多いです。

 

レジュメは企画提案と同じく、

政策目標…この政策を通じて何を実現したいのか?なぜ国がやる必要があるのか?

→現状分析

→課題…現状は目標と具体的にどうずれているか?問題点は何か?

→課題を解決する施策としてAとBどちらが良いか

→施策を実行した場合の弊害、その解決策

という流れで書くとよいでしょう。

 

課題もディスカッションのメンバーも当日に発表されるため準備がしにくく、私も大学の対策会に1回参加したのと、2、3回友人たちと本番と同じ時間配分で練習したくらいでした。

ただ、一つ思ったのは、対策のしようがない分、これまで(建設的な)議論をしてきた経験がある人はかなり有利だなということ。サークルやゼミで、何についてであっても議論する機会が多いなら特に対策は必要ないと思いますが、少人数で議論したことがほぼない!という人は練習した方がいいかもしれません。きちんとフィードバックがもらえる場(公務員試験の対策会、民間のグルディス対策会など)に何度か参加すると良いと思います。

 

時々、「(AかBか決める際に)少数派だと思われる方に属して自分の意見を言うチャンスを確保する」みたいなテクニックを色々言う人がいますが、私個人としては普通に自分が賛成だと思う選択肢を選び、議論中相手の意見が正当だと思ったら賛成すればいいと思います。まあ自分がそういう戦略を取った方がやりやすいならやればいいと思うけど。 

 

あと、国家公務員試験のグルディスでは、ファシリテーター(≒司会)が1人誕生することが多いです。必ずいなきゃいけない訳ではないのですが、だいたい空気を読んで最初に発言した人がファシリになります。

ただ、ファシリはマジで経験が出るので自信がないならやめた方がいいです。あと自分の意見言いたい人もやめた方がいいでしょう。(ファシリが自分の意見をガンガン言ったり、他の人に反論したりすると議論の流れを追う人がいなくなってしまい今何を話しているのかわからなくなることが多い)。 

人物面接

事前準備

事前に記入した面接カードを最初に提出し、その内容を元に面接官から質問されます。

面接カードは人によって書く内容が千差万別なのでやり方とかは特にないと思う。当たり前ですが、一つ一つの質問に対応する経験の中で、聞いてほしい経験を特に

「何をいつなぜ行ったか」「その経験から何を学んだか」

を書くといいのではと思いました。3行しか書けないので全てを網羅するのは無理ですが、企画提案と同じく論理は家で固めつつ、実際に書く内容は所々省略すると質問を誘導しやすいのではないかと思います。

あと、志望動機に関しては、私はまず「国家公務員を」志望する動機を書き、最後の1行で自分の関わりたい分野に少し触れました。志望省庁に触れるか否かはどっちでもいいと思いますが、そもそも「国家公務員」になぜなりたいのか、というのは絶対書いておく、書かないにしても聞かれたら答えられるようにしたほうがいいです。

 

あと、その面接カードを友達や先輩に見せて実際に質問してもらったり、面接カードで直すべきところを指摘してもらうのは絶対やったほうがいいです。

実際に私は、「自分の意見をはっきり言える」系のエピソードを面接カードに入れるか、それともそのスペースを他に使うか悩んでいたのですが、友達に相談したら「あなたは見た目と話し方からしていかにも自分の意見をはっきり言いそうだから、わざわざ面接カードに書く必要はない」と言われたので省きましたww言われてみれば納得でしたが、自分では気づかなかったのですごくありがたかったです。

 

本番どんな質問がされるかというのも人によって違いますが、私は面接カードに書いた一つ一つの質問について

「その経験において何か困難はあったか、それをどう克服したか」

を聞かれました。この困難をどう克服したか系質問は最近の流行りっぽいから考えておくとよいかも。

印象的だったのは、オンラインメディアをやっている話をしたら

「読者から批判されることもあると思うがそれはどう対処するか」

と聞かれたことです。官僚批判にどう対処しそうか見ているのかな〜と思いました。